商業施設、銭湯、教育現場、トラブルに不安「差別だと主張されるのではないか」
LGBT理解増進法が成立したことで、商業施設や教育現場から不安の声があがっていると読売新聞が報じた。
女子トイレなどに女装した男性が入ったとき、拒否したら差別と主張されるのではないかとの困惑の声が広がっている。公衆トイレがある施設、銭湯、教育現場など、あらゆる場面で想定できる。
性的少数者(LGBT)への理解増進法が16日に成立したことに対し、商業施設や教育現場からは、女性用トイレの使用などで混乱が起きかねないことに不安の声が上がった。参院本会議での採決では、同法に反発する複数の自民党議員が、抗議の意思を表すために退席した。
西日本の百貨店の担当者は、「法律を盾に女子トイレに入れないのは差別だと主張されるのではないか」と戸惑う。以前、女装した男性が女子トイレに入るトラブルがあったといい、「トラブルが増えれば、営業にも影響が出かねない」と懸念する。
東京都内で銭湯を営む経営者も、「客が自認する性別の湯を利用したいとの申し出を断った場合、問題になるのではないか」と困惑した様子で話した。
東京都立高校では現在、性別への違和感を訴える生徒が着替えをする際、職員用の空き部屋など一人で着替えられるスペースを用意している。都教育委員会の幹部は、「法律ができたことで、どんな対策やルールが必要になってくるのか、早急に検討する必要がある」と語った。
同法の内容には、どのような行為がLGBTに対する差別にあたるのかが明確でないとの指摘が出ている。16日の採決では、自民党の山東昭子・前参院議長、青山繁晴、和田政宗両参院議員の計3人が採決時に議場から退席した。山東氏は退席理由について、国会内で記者団に「納得のいかない内容で、生煮えの状態だ」と説明した。
政府は同法に基づき、LGBTへの理解を促すための基本計画の策定や、施策の実施状況の公表などが求められる。政府は来週にも内閣府に専門部署を設置し、計画策定などに取り組む方針だ。
自民党の片山さつき参院議員は、「より弱い立場に置かれている女性全体の利益や権利が擁護されるという視点が大切だ」と政府に注文した。
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