自民党幹部が埼玉、愛知両県を訪れ、公明候補への支援を要請。茂木幹事長「党本部としても苦渋の決断だ」
自民党の茂木敏充幹事長などの党幹部が埼玉、愛知両県を訪れ、次期衆院選での公明候補への支援を要請したという。公明党との関係修復のため「党本部としても苦渋の決断」だそうだ。
自民党が、公明党との関係修復に本腰を入れている。党幹部が埼玉、愛知両県を訪れ、公明候補への支援を要請。公明が小選挙区に擁立する全候補の推薦も早急に決める方向だ。次期衆院選を見据え、目に見える対応を重ねて信頼を取り戻したい考えだ。
「党本部としても苦渋の決断だ」
自民の茂木幹事長は23日、さいたま市で開かれた埼玉県連の会合に出席してこう述べ、埼玉14区(草加市など)で自民候補の擁立を見送った上で、公明候補を支援する執行部方針に理解を求めた。森山裕選挙対策委員長も23日、愛知県を訪問。公明が候補を擁立した愛知16区(犬山市など)を地盤とする地方議員らと面会し、説得に当たった。
茂木、森山両氏はこの日、両県連の不満を解消するため、現地に足を運んだ。
衆院小選挙区の「10増10減」に伴う候補者調整では、公明が目指した東京28区(練馬区東部)への擁立を自民が受け入れず、公明は断念する代わりに、東京では自民候補を推薦しないことを決めた。
だが、自民は公明との対立を回避し、選挙協力解消を東京だけにとどめるため、埼玉、愛知両県では公明候補の擁立を容認。両県連内には「公明候補を支援できない」という声がくすぶっていた。
自民幹部が公明との関係修復を急ぐのは、21日に閉会した通常国会で見送られた衆院解散が、秋以降いつあってもおかしくないとの認識を共有しているためだ。
自民は衆院選で、票の掘り起こしを手助けするため公明側に後援会名簿などを提供し、比例選での公明への投票を支持者に呼びかける見返りに、「1小選挙区あたり2万票」とも言われる公明票を得てきた。公明票なしには当選が危うい現職や候補者も少なくないとされる。
信頼回復に向け、自民は次期衆院選で公明が擁立する11小選挙区候補に推薦を出す方向で最終調整を進めている。通常国会でも、公明の求めに応じ、自民内の保守派が猛反発していた「性的少数者(LGBT)への理解増進法」の成立を実現させた。
ただ、東京での調整は難航が予想される。石井幹事長は23日の記者会見で「(自民には)様々な努力をいただいている」と述べる一方、「東京に関する方針を変える予定はない」と強調した。
記事内に「公明の求めに応じ、自民内の保守派が猛反発していた「性的少数者(LGBT)への理解増進法」の成立を実現させた」とあるが、これがどれだけ支持者の心を離れさせたか執行部は理解できているだろうか。他にも、憲法改正など、あらゆる局面で公明党は足かせになっている。支持者らのSNSでの声を拾ってみると、ほとんどが連立解消を望んでいる。
前回の参院選で、公明党の支援なしで当選した自民党の小野田紀美参議院議員は、ツイートにこう綴った。
>通常国会でも公明の求めに応じ、自民内の保守派が猛反発していた「性的少数者(LGBT)への理解増進法」の成立を実現させた。
https://t.co/qCGqE2NGPrこうして本来の支持者を裏切り、選挙に弱くなり、また依存する…
憲法改正は?スパイ防止法は?対中の対策は?自民党が強くならねば叶わない— 小野田紀美【参議院議員/岡山】 (@onoda_kimi) June 24, 2023
その通りだと思う。自民党が強くなるには、支持者と一丸になること。その支持者の心を離れさせてはどんどん公明党に依存せざるを得なくなり、主導権を公明党に握られてしまう。これまで自民党を支持してきた保守論者らが自民党に愛想を尽かせて新党を立ち上げるなどといった話も持ち上がっている。
2013年4月、石原慎太郎氏(当時日本維新の会の共同代表)が党首討論で、当時の安倍晋三総理を前にして「公明党は、必ずあなたがたの足手まといになる」と自公連立を批判したが、その時が現実になってきた。
公明党からの支持を受け議席を保持したい気持ちも分かるが、そろそろ支持者の気持ちも限界かもしれない。