大阪万博誘致の「意義」と勝利の「理由」

2020東京五輪に続き、歴史的な勝利となった大阪万博の誘致。勝ち取った大阪万博の意義と勝利の理由を今回は探ってみましょう。

万博は発展途上国のものというフェイクニュース

今回の万博誘致に批判的な人たちが叫んでいたのは、「万博は発展途上国がするイベント」「日本がやるべきではない赤字のイベント」というものです。例えば、「いまや国を挙げて行うような万博は、発展途上国や権力をアピールしたい強権国家以外は興味を示さない」と作家の山田順氏がYahoo!ニュースに書いています。ですが、これは典型的なフェイクニュースです。

2000年以降の万博開催地は以下のとおりです。
・2000年   ハノーヴァー万博(ドイツ)
・2005年 愛知万博(日本)
・2010年 上海万博(中国)
・2015年 ミラノ万博(イタリア)
・2020年 ドバイ万博(UAE)
・2025年 大阪万博(日本)

ドイツ、日本、中国、イタリア、UAEと押しも押されぬ地域大国ばかりです。我が国が堂々と実施すべきイベントなのは明らかです。

また、赤字というのも間違いです。ハノーヴァ―は大赤字になりましたが、愛知万博は目標を大きく上回る入場者数とキャラクターグッズの売り上げにより、最終的に129億円の黒字を計上しています。上海万博は約1兆円の経済効果、ミラノ万博はそれを超える1.3張円の経済効果、愛知万博はなんと3.5~7.7兆円もの経済効果を記録しています。これのどこが赤字イベントなのでしょうか。

事実、大阪万博は政府の試算では1.9兆円、日本総研の試算では2.6兆円、りそな総合研究所の試算では2.2兆円もの巨額の経済効果が見込まれています。愛知万博が事前の予想を上回る成功となったことから、これがさらに膨らむ可能性は高いでしょう。

そして、イノベーションの起爆剤にもなります。世耕大臣が万博プレゼンで披露したように、携帯電話の前身も電気自動車も回転寿司も大阪万博で披露され、ここから全国区になったのです。

このように関西圏と日本の起爆剤となるのが万博なのです。

そして、大阪万博の意義についてはもう一つ語らねばなりません。
東京五輪の後に続く、2025年までの一里塚が定められたことです。その一里塚とは大阪と関西が一丸となって万博を成功させることです。また、関西を中心に様々な改革やインフラ整備が実施されることになりますが、それもまた関西圏にとって喜ぶべきことでしょう。

さて、このような大金星をどのようにして勝ち取ったのでしょうか。

「本命」ロシアとアゼルバイジャンに優った日本の素晴らしいプレゼンテーション

下馬評では、開催地を勝ち取るのはロシアやアゼルバイジャンのどちらかでした。それには理由があります。どちらも万博を経験したことがないからです。実際、ロシア側は「万博は新たな場所と資格を持つ国、つまりロシアで開催されるべきだ」と強調していました。また独自のパイプをもっていました。

6月には政権の重鎮、シルアノフ財務相を誘致責任者に起用。さらに、誘致委員会のトップに、今夏のサッカー・ワールドカップ(W杯)をロシアにもたらした実力者を充てるなど、次々と手を打ってきた。

支持を働きかけるキャンペーンでは、世界10都市に万博誘致をPRする巨大なマトリョーシカ人形を設置。23日の開催地決定を前に、BIE総会の舞台となるパリに10体の人形を集結させるパフォーマンスも行った。

誘致の終盤では、石油・天然ガス企業などを通じ、アフリカや南米で票の掘り起こしを進めたもようだ。欧州各国にも活発に働きかけたとみられる。
(中略)
アゼルバイジャンは石油輸出関係国やイスラム諸国を軸に、独自のパイプを生かして支持の浸透を図ってきた。(中略)イベントの収益性は度外視しているのが実態だ。

引用元 産経新聞 ロシア、アゼルバイジャン 万博でそれぞれの誘致活動

しかしながら、両候補地は「自国のPR」に終始していました。「うちの国はすごい!だから、我が国で開催すべき!」

それに対して、日本のプレゼンは、ロシアとアゼルバイジャンとは一線を画す内容でした。それは安倍総理のメッセージに込められていました。「2025年大阪万博は、世界中のみなさんの万博です」「エキサイティングなおもてなしをいたします」と万博は自国のためのものではなく、全世界と共に開催するイベントであることを訴えたのです。ロシアやアゼルバイジャンとは大きな違いです。大阪の為でもなく、日本の為ですらないと断言したのです。ここに世界に貢献する万博だと安倍総理は高らかに訴えたのです。

また、世耕大臣に続いて、プレゼンを行った人物も大きな注目を集めました。小川理子氏です。彼女は、開催候補地の大阪出身、大阪に拠点を置くパナソニック初の女性役員、生産終了となった音響機器ブランドを復活させた企業再生のプロ、ソーラーランタンを世界30か国の無電化地域に10万台配布、そして、プロの売れっ子ジャズピアニストという多才な人物です。

彼女のプレゼンは聴衆の胸を打ちました。まずは、アジアの比較的生活環境が厳しい村での自身の体験を紹介し、小川氏が生まれ育った大阪で開く万博が貧困や飢餓、環境保全といった世界の課題を解決する場になることを切々と訴えました。小川氏も安倍総理と同様に、大阪や日本の為ではなく、世界の為であると訴えたのです。

彼女は、プレゼンテーションの場で、弾き語りも披露しました。名曲「What a Wonderful World(この素晴らしき世界)」です。彼女の素晴らしい歌声に聴衆もざわめきます。これにあわせてサンリオのキティちゃんや誘致関係者も壇上に登り、場を盛り上げる一幕がありました。ここでも日本は「世界の為」の大阪万博であることを強調し、聴衆の心や審査員の心を摑んだのです。

万博誘致の勝因は安倍外交の総決算にあり

今回の万博誘致決定は、まさにソフトパワーを結集した日本の底力によるものであり、また、2020東京オリンピック・パラリンピックのプレゼンテーションで多くの賛同を得た「世界への貢献」「おもてなし」という、日本が世界に誇れる長所が再び世界に認められた証です。

最後に、日本のプレゼンテーションをご覧ください。

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