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衆院選で、各党「最低賃金1500円」を公約に。経営者「いつまでに達成するか、各政党示してほしい」⇒自民は岸田政権の方針を前倒しと時期を示すも、野党は時期を示さず




衆院選で各政党が最低賃金について、時給1500円に引き上げることをアピールしている。

しかし、達成時期を示さない主張は、中小企業の経営者にとっては不安でしかないようだ。

27日に投開票される衆院選では、主要政党が「最低賃金1500円」への引き上げ目標を公約に掲げた。だが、ただでさえ円安に伴う原材料費の高騰や光熱費の値上がりに圧迫されている企業側にとって、収益に見合わない形で人件費が膨らめば経営の打撃になりかねない。特に中小企業をどのように支援していくのか、政治のリーダーシップが問われている。

「いつまでにどのようにして1500円という最低賃金目標を達成するのか、各政党には具体的に示してほしい」。大阪府東大阪市でボルトなどの金属部品を製造する中小企業の社長は、こう訴える。

同社は約150人の従業員を抱え、約9割を正社員として雇用。原材料費や光熱費の値上がりが続いたため取引先と交渉し、製品への価格転嫁を認めてもらうことで利益を確保している。従業員の賃上げにも取り組んできた。

同社は納品先から直接仕事を請け負っているため、価格転嫁の交渉がしやすい面もある。一方、周辺の同業他社には2次下請け、3次下請けで受注する企業も多いため価格転嫁の交渉が難しく、何年にもわたって賃上げができていないケースも少なくないという。

■目標を前倒し

今年度の最低賃金は全国平均で時給1055円。物価高や人手不足を反映し1004円だった前年度から大幅に増えたが、石破茂首相は所信表明演説で2020年代に1500円とする目標を示し、30年代半ばまでとした岸田前政権の目標を前倒しした。立憲民主党や公明党、共産党も公約に1500円を明記した。

20年代に1500円まで引き上げる場合、ここ数年3~5%程度で推移してきた伸び率をさらに加速させる必要がある。

以下ソースで

引用元 「最低賃金1500円」主要政党が公約に 中小企業は価格転嫁できず重荷

いずれ全最低賃金が1500円になるだろうが、いつまでに達成するのかが経営者にとって重要だ。急激な引き上げは倒産の引き金になる。

岸田政権の「2030年代半ば」の方針から、石破政権では「2020年代」へと前倒しする方針について、大和総研のホームページで「最も遅い2029年度に達成する場合でも、要求される2025~29年度の引き上げ率は年平均7.3%と過去最高を上回る」と説明している(参考)。

さらに「最賃の急速な引き上げで企業負担が過重になり、最賃法で保護すべき低賃金労働者の雇用環境が悪化したり、石破首相の重視する地方創生に逆行したりする恐れがある。「2020年代」という新たな達成時期は経済実態に照らして柔軟に見直すべきだろう。中小企業の生産性向上支援などを加速させるとともに、EBPM(証拠に基づく政策立案)の強化が一層求められる」と指摘している。

経済評論家の門倉貴史も次のように指摘(参考)。

最低賃金を急激に引き上げても、働く人の処遇改善にはつながらない。
まず大企業が人件費の負担増を価格転嫁することで、物価が急激に上昇する。為替レートが円安に振れれば、輸入物価の上昇を通じて物価の上昇スピードがさらに加速し、賃金の上昇ペースを上回ることで人々の実質的な購買力が落ち込むリスクが高まる。
一方、下請けなど価格転嫁が困難な中小企業では人件費負担の重さに耐えきれなくなって倒産・廃業が相次ぎ、失業者が増えることになる。
さらに配偶者のいるパートタイムやアルバイトの従業員は「年収の壁」が存在するため、時給が上がって年収が一定水準を超えると社会保険料や各種税金の負担が発生することになり、勤務時間を減らすなどの就労調整をしなければ手取り所得が減ってしまう。
このように急激な最低賃金の引き上げは、国民生活をかえって窮乏化させてしまうという、本末転倒の結果を招く可能性が高い。

賃金引き上げは、一見聞こえはいいが、急激な引き上げは企業の倒産や労働環境の悪化を招く恐れがある。

自民党は「2030年代半ば」の方針から「2020年代」へと前倒しする方針と、困難であろう方針でありながらも、時期を示したことは評価できる。達成するにはそれなりの対策を考えてのことなのだろう。無策で主張したのなら勘弁願いたいが。

しかし、立憲や共産は時期を示していない。これではどのように達成させていくのかがまるで見えない。何もしなくともいずれは最低賃金1500円は達成する。重要なのは時期だ。急激な賃金上昇は企業の負担が大きい一方、上昇の鈍化は労働者の不満が募る。

具体的な時期を示さないのは単なるアピールで、無責任な主張だ。







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