北方領土アンケートの結果に見る、メディアと自称専門家の欺瞞

安倍総理が日本とロシアとの間の長年の懸案であった北方領土問題の解決に着手しました。安倍総理は日ソ共同宣言に基づく「2島+α」での事態の打開を図ろうとしています。しかし、一部のメディアは「譲歩」「後退」といった表現を用い、印象操作に躍起です。そこで、北方領土についてのアンケートを実施しました。

●北方領土に関するアンケート結果

具体的には、日ソ共同宣言に明記されている北方領土が歯舞・色丹の2島であることを知っているか否かのアンケートを実施しました。
その結果、半数を超える方々から知らなかったとのご回答を得ました。ご協力感謝を申し上げるとともに、幅広くお伝えしていく必要を痛感した次第です。

最終的に、数万人の皆様にアンケートを閲覧してもらったことで、国民の北方領土問題の意識の高さがわかり、また共同宣言の中身に触れてもらえたので意義があったアンケートだと思います。

しかし、なぜ北方領土問題の意識は高いのに、肝心な日ソ共同宣言を知らない人がこんなにも多いのでしょうか?それはメディアの報道に問題があったからです。

●メディアは北方領土問題の歴史的過程に触れていない

安倍総理とプーチン大統領の日ロ首脳会談において、安倍総理が譲歩したという一部メディアの報道をよく目にしたと思います。そして、北方領土ビジネスの原理主義者や一部メディアがよく使う言葉に「4島一括返還が日本の最終目標」という言葉があります。実はこの一部メディアの報道におどらされて、森元首相の時に解決に近づいたにもかかわらず話をぶち壊した人がいます。小泉元首相と当時の外相の田中真紀子氏です。
「小泉 田中真紀子」の画像検索結果
森元首相の時には日ソ共同宣言を基軸に話は進んでいて、あと一歩というところまで近づいたのですが、森政権の次の小泉政権がメディアに影響されたかのように2005年に4島一括返還を再主張し、見事なちゃぶ台返しをしたのです。ハルノートをぶつけられた日本がそうだったように、交渉を反故にされて怒ったロシアは安倍総理が再交渉するまでの10年間交渉の席につくことはありませんでした。

おそらく、アンケートで「知らなかった」と答えた方々の多くは、小泉政権以降、「4島一括返還」の流れになった一部メディアの影響でしょう。

そして、安倍総理が「2島+α」で長年の課題であった北方領土を解決しようと動き出しても、一部メディアや自称専門家は相変わらずの論調で、歴史的経緯を報じず、「後退」や「譲歩」といった言葉で、印象操作を続けています。

・朝日新聞

安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が11月14日、訪問先のシンガポールで会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで合意した。日本は択捉島、国後島を含めた北方四島の一括返還を求めてきたが、歯舞群島、色丹島の2島返還を優先して議論する方針に転換したことを意味する。

引用元 朝日新聞 北方領土2島返還はプーチン大統領が日本に迫る「踏み絵」なのか? 本当の狙いとは

朝日新聞の報道は一切、「2島+α」に触れていないばかりか、戦後一貫して「4島一括返還」をもとめていたかのように報道しています。まさに、フェイクニュースです。歴史に学べと朝日新聞はよく主張しますが、彼らは、ソ連崩壊以降の領土交渉で「4島一括返還」が小泉政権下で突如でたものだと理解しているのでしょうか。本当にどうしようもない新聞です。

・北海道新聞

 日本の最終目標は国後、択捉を含む四島返還のはずだ。共同宣言の解釈で双方の溝はいまだ深い。協議の土台ができていないまま、交渉を進めるのは避けるべきだ。(中略)ロシア側が領土交渉に関し「国後、択捉は対象外」とする立場を変えない中で、日本側から一方的に譲歩した感が否めない。(中略)
看過できないのは、「四島の日本帰属」は平和条約締結の前提ではなかったかのような認識が日本政府内に見られることだ。(中略)これまでの政府の姿勢と大きく違う。なし崩しで方針転換することは許されない。
引用元 北海道新聞 北方領土交渉 これでは2島も危うい

「日本側から一方的に譲歩した感が否めない」との指摘がいかに間違っているかは、歴史的過程を考察すれば理解できることでしょう。
北海道新聞は反自民・反安倍政権の極左メディアとして名高いメディアですから、こうした印象操作はお手の物です。ですが、日ソ共同宣言という歴史的事実をなぜ伝えず、捻じ曲げるのか。そもそも、なぜ「四島返還のはずだ」などと自信の持てないことを言っておいて、「4島一括返還」でなければ看過できないなどというのでしょうか。また、この記事は「2島+α」にすら触れていません。批判するにしても、事実を紹介し、事実に基づいて行うべきです。北海道最大の地元メディアがこの有様です。

・京都新聞

日本政府は平和条約締結の前提として北方四島の帰属問題解決を掲げてきた
ロシアが実効支配する4島の帰属をあいまいにしたまま平和条約交渉を進めれば国後、択捉両島の領有権放棄につながりかねない。
「2島先行返還論」はこれまでも領土交渉の打開に向けて取り沙汰されては消えた歴史がある。
安倍首相が2島先行返還で対ロ交渉を進めていくならば、4島一括の返還を求めてきた過去の政府方針からの転換となる
引用元 京都新聞 社説 北方領土交渉  焦らず多面的な協議を

「4島一括の返還を求めてきた過去の政府方針からの転換」と指摘していますが、過去とはいつの時点を指しているのでしょうか。「4島一括」を政府方針にしたのは小泉政権時です。その前の森政権時には2島先行返還で交渉が動き出そうとしていました。森政権時の交渉過程には触れず、一貫して「4島一括返還」を求めてきたことが政府方針だったと印象を与える報道は報道機関としての体をなしていません。
そもそも、こちらも安倍総理が「2島+α」で交渉していることを報じていませんが、この点も悪辣な印象操作です。

●自称専門家のフェイクニュース
そしてまた、自称ロシア専門家という人物がメディアと同様に歴史的事実に基づかない4島返還論を唱えていることも問題です。新潟県立大学の袴田茂樹教授もその自称専門家の1人です。

「東京宣言」は強硬論ではありません。4島の帰属先は何も書かれていないからです。原理原則から言えば、4島は歴史的にも法的にも日本の領土です。(中略)
かつて日本は対ロ政策で「政経不可分」(北方領土問題の話し合いが進展しなければ、経済関係も進めない)と言う時代もありましたが、その後、80年代末に「拡大均衡」(領土交渉と経済協力を均衡を取りながらともに前進させる)という考え方になりました。私は「拡大均衡」という形でバランスを取りながら協議していくべきだと考えています。領土問題を2~3年で解決するのは不可能です。香港は英国から中国に返還されるまで99年間もかかったのです。期限を切り、焦るほど交渉の立場が弱くなるだけです。
引用元 日刊ゲンダイデジタル ロシア専門家が警鐘「北方領土問題進展は日本側の幻想」

袴田氏は「日ソ共同宣言」という日ソ両国の国会が批准した唯一の法的な文書より、法的文書でない「東京宣言」の方が都合がいいようです。それもそのはず、今回安倍総理が「2島+α」で動かした北方領土問題が解決してしまったら、袴田氏には今回のような取材が来ることは永久になくなってしまいます。むしろ、「4島一括返還」を主張し、領土交渉を妨害させてきたとして、世論から批判を受けかねません。専門家としての権威も失墜します。

そして袴田氏のコメントで気になる点があります。「領土問題は2~3年で解決するのは不可能です」と発言しています。日本政府はこれまで行ってきた領土問題とめぐる交渉は、2~3年という短いものではなく、1956年の日ソ共同宣言以降行ってきたものです。仮に2~3年とすれば袴田氏が指摘した「東京宣言」がどうして存在するのでしょうか。

また香港の例を上げ、返還までに99年かかったと指摘していますが、99年間の租借の合意があったからです。そして実際には1979年に香港総督が中華人民共和国側に帰属をめぐる協議を申し出て、1984年に中英連合声明が発表され、1997年に香港が中国に返還されることになりました。(参照 香港返還

袴田氏があげた香港の例を見てみると数年で解決することは可能なのです。こんな基本的なことも知らず、安倍総理をデマで攻撃する日刊ゲンダイに登場して、安倍外交を批判するなんて本当に彼は専門家なのでしょうか?やはり自称専門家のようですね。

●一部メディアと自称専門家は猛省せよ!
一部メディアや自称専門家による印象操作は今に始まったことではありません。ですが、今回の日ソ共同宣言に立ち返って交渉を加速し、「2島+α」でこの難題に取り組む安倍総理の姿勢に対して譲歩もしくは後退だと報じるのはやりすぎです。日ソ共同宣言、並びに今日に至るまでの交渉過程をみれば、譲歩ではないことは明らかであり、「2島+α」がもっとも現実的で、最善の策だとわかります。

印象操作によって国民は真実を知ることができません。国民が真実を知るためにも、北方領土という難題に取り組む安倍総理の姿勢を印象操作するのはやめていただきたい。繰り返しになりますが、批判をするならば事実に基づいて実施するべきです。

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