人手不足を補完する外国人労働者受け入れ

日本は労働人口が減少してきている。その労働人口減少によって、生じている問題が人手不足による企業の倒産だ。

このまま人手不足を放置し続けたら、倒産する企業が今後増加する可能性がある。少子高齢化の日本社会において、この人手不足を補完し国力を増強するためには、外国人労働者を受け入れることが重要である。

好景気により倒産件数は減少

2018年10月9日、東京商工リサーチが発表した2018年度上半期(4~9月)の企業倒産件数は、前年同期比2.3%減の4124件となったという。これはバブル期の1990年度(3070件)以来28年ぶりの低水準だという。まさにアベノミクスの成果である。

しかし、人手不足に関連した倒産は全体で約5割増、219件に上ったのである。(参考:時事通信「【図解・経済】企業倒産件数の推移」

日本全体の倒産件数   前年比2.3%減↘︎
人手不足による倒産件数 前年比約5割増↗︎

景気回復によって会社の業績が好調であっても、十分な人手がなければ将来の経営の舵取りは難しくなってくる。
人手不足による倒産のケースは、大きく分けて2つある。
1) 人手不足により、仕事が受注できなくなり、倒産
2) 人手不足を補完するための外部業者への委託により、トータルの人件費がかさみ、倒産

有効求人倍率が44年ぶりの高水準を記録するなど労働需給がひっ迫する中、従業員の離職や採用難など人手不足による収益悪化で倒産する企業が全国で急増している。2018年上半期は前年同期比4割増のハイペースで、慢性的な人手不足が続く道路貨物運送や介護、木造建築工事などの業種を中心に倒産ラッシュの様相を示した。地方の急激な人口減少や雇用のミスマッチもあり、人手不足に回復の気配は見えない。関西大社会安全学部の亀井克之教授(リスクマネジメント論)は「現状の打開は中小企業だけでは難しい。社会を挙げて対策を講じるしか解決策はない」とみている。

帝国データバンクが7月、全国の企業9,979社を対象に実施したアンケートでは、正社員の人手不足を訴えた企業は前年同期比5.5ポイント増で、過去最高の50.9%に上った。非正社員については前年同期比3.6ポイント増の33.0%が「不足している」と答えている。人手不足が人件費の増加や事業遂行の妨げとなり、収益を悪化させる例も急増している。


引用元 「人手不足倒産」が4割増で過去最高に、企業努力ではもう止められない

人材不足問題は日本全体の人口減少に端を発している。そのため、個々の企業の努力では改善できないケースもある。

また、人材不足による倒産は中小企業に多い。日本企業の99.7%を占める中小企業こそが日本の背骨であり、また世界有数の技術を持ち合わせているため、中小企業の人手不足倒産の件数を減らすことこそ、日本全体の喫緊の課題である。

また、イメージによって敬遠される業種もあり、業種によって人手不足の深刻度合いに差が生じている。

中でも深刻なのが介護業界だ。なんと66%の介護施設が人手不足だというのだ。

平成30年版の「高齢社会白書(内閣府)」によれば、現在わが国では男女合わせて3,515万人の高齢者(65歳以上)がいると発表されており、日本の全人口1億2,671万人のうち、27.7パーセントを高齢者が占めています。(中略)
2018年5月の報道では、来たる2035年には約79万人もの介護人材が不足すると経産省より発表されました。
介護人材不足、35年に79万人 15年の20倍 経産省試算(Sankei bizより)
2015年時点では4万人の不足だったので何とその20倍です。そしてその数字を裏付けるように、同年8月、介護労働安定センターは「平成29年度介護労働実態調査」の結果を公表し、現在すでに66パーセントの介護施設で人手不足が問題になっているというアンケート結果が出されました。
引用元 介護業界の人材不足|深刻化するその原因と対策について解説

ロボットの開発やAIの進化も急速に進み、人間社会に溶け込み始めてはいるものの、ロボットやAIによる介護代行が実用化されるまでには、もう少し時間を要するだろう。となれば、解決策の一つが、外国人労働者の受け入れである。

2025年に介護職員34万人不足という予測

ここで考えるべきは、今後、要介護者が増えていく現実である。厚生労働省の推計結果によれば、団塊の世代が全て75歳を超える、つまり、後期高齢者となる2025年に必要となる介護職員の人数はなんと244万人以上である。2016年時点の我が国のIT人材の合計は91.9万人だが、その二倍を優に超えるのである。

しかも、近年の就職・離職傾向が継続した場合、2025年の介護人材は約34万人不足するという。つまり、我々の家族が要介護者になった場合、受け入れ先がなく路頭に迷いかねないのである。

厚生労働省の試算では、毎年6万人以上の介護人材を増やしていかねば、2025年に介護施設がパンクしてしまうというのである。まさに人材の確保は介護業界にとって、今そこにある危機なのだ。

改正入管法は、外国人労働者を受け入れによって、まさに現状の人手不足を補完しようとするものなのである。

安倍総理は、第197臨時国会の閉会を受けて、官邸で記者会見を開いた際に以下のように述べている。

今回の制度は移民政策ではないかという懸念について、私はいわゆる移民政策ではないと申し上げてきました。け入れる人数には明確に上限を設けます。そして、期間を限定します。みなさまが心配されているような、いわゆる移民政策ではありません

現在、有効求人倍率は47すべての都道府県で1倍を超える中で、全国で多くの、特に地方の中小・小規模事業者のみなさんが深刻な人手不足に直面しています。この現実に向き合わなければなりません。中小・小規模事業者のみなさんは設備投資等により、生産性向上に懸命に取り組んでおられます。こうした取り組みを行ってもなお、介護、農業、建設業など特に人手不足が深刻な分野に限って、就労の資格を設けます。

即戦力となる外国人材を受け入れ、日本経済を支える一員となっていただく。そのために、日本人と同等の職場環境、賃金面での待遇はしっかりと確保していきたいと考えています。同時に、健康保険などの適用については不正があってはなりません今後、厳格な対策を講じます。出入国在留管理庁を新たに設置し、国民の皆さんの不安にしっかり答えられるよう、在留管理を徹底していきます。この国会における議論も十分に踏まえながら、技能実習制度を含め、今後制度の運営に万全を期してまいります。
引用元 IZA 安倍首相会見詳報(1) 改正入管法、在留管理を徹底する

労働力を確保し、国力を保持しつつ人口問題など諸々の対策に取り組むのが現実的な考えだ。安倍総理の言葉がすべてを物語っているのではないか。
「現在、有効求人倍率は47すべての都道府県で1倍を超える中で、全国で多くの、特に地方の中小・小規模事業者のみなさんが深刻な人手不足に直面しています。この現実に向き合わなければなりません」

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