
NHKスペシャル終戦80年ドラマの人物設定めぐり、遺族が激怒「卑劣な軍人に描かれた」「歴史を扱う上での責任感が足りない」
NHKが16、17日に放送したスペシャル終戦80年ドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』が物議を呼んでいる。
NHK戦後80年ドラマ「卑劣な軍人に描かれた」と遺族反発 対応も「小手先」と批判https://t.co/eaiGUEwZTU
飯村氏は産経新聞の取材に対し「想像以上に祖父が卑劣な人間に描かれていて愕然とした。NHKの対応は小手先でしかなく、視聴者には史実かフィクションか混乱を招いたのではないか」と指摘。
— 産経ニュース (@Sankei_news) August 22, 2025
異なる所長像
番組はNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」。前・後編を16、17の両日午後9時から放送した。舞台は日米開戦直前に設立された首相直属の機関、総力戦研究所。メンバーとして召集された若手官僚らは、日米間の戦争では日本は必ず負けるとのシミュレーション結果を導き出すが、政府は聞き入れずに戦争に突入し予想通りの結末を招く、という史実に基づくストーリーだ。ドラマで研究所の所長はメンバーの自由な議論を阻害し、日本必敗の結論を覆すよう圧力をかける存在として描かれた。ただ、実際の所長だった飯村穣陸軍中将は、史料や関係者の証言などから、若手がのびのび議論できるよう後押ししていたとされる。飯村中将の孫で元駐仏大使の飯村豊氏は「誤った歴史が広まってしまう懸念がある。史実のドラマ化には超えてはならない一線があるはずで、歴史を扱う上での責任感が足りないのではないか」と訴えている。
テロップで注釈
飯村氏は放送前に公式サイトなどで所長の描き方を知り、NHKに創作ドラマであることを明示するよう求めた。これを受け、NHKは放送前に「総力戦研究所の所長および関係者はフィクションとして描かれています」などとテロップを流したほか、ドラマの直後に放送したドキュメンタリー部分で「実際の所長、飯村穣はメンバーが自由に議論する環境を整え、人望厚いリーダーでした」とナレーションで説明した。しかし、ドラマの放送後に飯村氏は産経新聞の取材に対し「想像以上に祖父が卑劣な人間に描かれていて愕然とした。NHKの対応は小手先でしかなく、視聴者には史実かフィクションか混乱を招いたのではないか」と指摘。さらにNHK側からは、ドラマ制作陣による映画化が計画されていると聞かされたといい、「映画になればテロップなどの対策は難しいはず。祖父の名誉を侵害しており、同じ役柄の設定での映画製作は納得できない」と話している。
NHKは『猪瀬直樹のロングセラー「昭和16年夏の敗戦」を原案に、主人公・宇治田洋一(うじた よういち)(研究員)役に池松壮亮を迎え、日本映画界の旗手・石井裕也監督が初めて戦争ドラマに挑む』と紹介している。(参考)
原案「昭和16年夏の敗戦」では「実際の所長・飯村穣はたいへん先進的な発想の持ち主だった」と書かれているという。
ドラマ「シミュレーション」で國村隼さん演じる板倉は、総力戦研究所所長。
高圧的な人物として演出されていますが、実際の所長・飯村穣はたいへん先進的な発想の持ち主だったと『昭和16年夏の敗戦』では書かれています。
語学堪能、戦術に詳しく、ユニークな口頭試問で研究生たちを翻弄したそうです。 pic.twitter.com/2duHAaImux— 中公文庫(中央公論新社) (@chuko_bunko) August 16, 2025
原作は実際の人物像の通りに描かれていたようだが、NHKは原作に従わず書き換えたようだ。どうしても悪人に仕立てたかったようだ。「創作ドラマ」とテロップを流したからと言って、モデルが実在する以上何をしてもいいわけがない。遺族が激怒するのも当然だ。
なぜ余計な脚色をする必要があるのか?軍艦島の映像「緑なき島」の脚色のせいで日本がどれだけ国益を損なったかまだ反省が足りていないようだ。
相変わらずNHKは公共放送の自覚がないらしい。
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