安倍政権の「2島+α」構想の邪魔ばかりする面々

安倍政権によって北方領土問題が解決へと動き出した今、国際的取り決めを無視し、全くもって実現不可能な主張をしている政党がある。日本共産党である。彼らの主張は「千島全島返還」だ。その論理は「領土不拡大」(大西洋憲章)の原則に違反するというものであり、なんとサンフランシスコ講和条約は国際法違反だというのだ。そして、彼らは北海道からカムチャッカ半島の間のすべての千島列島の全島返還をロシアに要求すべきだと狂気の要求を日本政府にしているのである。

共産党の小池晃書記局長はインタビューで以下のように答えている。

--日露の北方領土交渉をめぐり、菅義偉官房長官に「全千島列島返還」を求めるよう提案した

「第二次世界大戦で、連合国の大原則は『領土不拡大』だった。戦争によって奪った土地以外は返すことが原則だったが、それに反して、千島列島(の移譲を)ヤルタ会談でソ連のスターリンが要求した。米英が応じてしまい、ヤルタ協定に書き込まれた。これがことの発端だ。これは明らかに領土不拡大の原則に反する。サンフランシスコ講和条約でも『千島列島の放棄』が入れられた。これはヤルタ協定の延長線上にある。ここに根本的な誤りがある。当時のソ連のスターリンの不当な国際法違反に屈してしまったら、根本的な誤りのところからたださないと、道理ある領土交渉にならない。そんなことをいうと、『サンフランシスコ講和条約を変えるのは無理だ』といわれる。これは廃棄でなく無効化するとか、いろいろなことができる。

引用元 産経新聞 「千島全島返還が筋」「安倍首相の新しいアプローチは非常に危険だ」「党綱領は…」より抜粋

⽇本政府の⽴場は千島列島(国後・択捉含む)放棄・⻭舞及び⾊丹は⽇本領

ここで⽇本政府の⽴場を確認しておこう。まず、⽇本政府は国後島・択捉島を含めた千島列島の主権を放棄したと1951年のサンフランシスコ講和条約で認めている。この⽇本が独⽴を回復した条約で、千島列島と北緯50度以南の南樺太を放棄したが、これに関する政府答弁で以下のものがある。

○⻄村(熊)政府委員 條約にある千島列島の範囲については、北千島と南千島の両者を含むと考えております。(中略)
なお⻭舞と⾊丹島が千島に含まれないことは、アメリカ外務当局も明⾔されました。

1951年10⽉19⽇、衆議院における⻄村熊雄外務省条約局⻑のサンフランシスコ講和条約で放棄した千島列島の定義に関する答弁

このように⽇本が放棄した千島列島には択捉・国後が含まれていると外務省の条約担当の最⾼責任者が明⾔していたのである。

⼀⽅、⻭舞・⾊丹を放棄していないというのは絶対的な事実である。これは講和会議においてダレス⽶国全権が、「⻭舞、⾊丹諸島は千島列島でない」と演説しており、吉⽥茂⽇本全権も⻭舞と⾊丹は絶対に⽇本の領⼟であると主張している。

そして、1956年10⽉19⽇に⽇本とソ連がモスクワで署名し、1956年12⽉12⽇に発効した⽇ソ共同宣⾔でも、⽇本とソ連の間で、⽇本への⻭舞・⾊丹の引き渡しが約束されているのである。

このように、<⻭舞・⾊丹>は⽇本の領⼟、<択捉・国後を含む千島列島>はロシア(旧ソビエト)の領⼟であることが国際的取り決めによって明確になっており、⽇本共産党の主張が、国際社会から⾮難の的となることは⽕を⾒るよりも明らかである。

日本共産党は、この全部をロシアから返還させろと、過去の国際条約を無視した主張している

国際条約無視の日本共産党

サンフランシスコ講和条約という国家間の条約に対してどのように対処するのか。小池書記局長は、「廃棄でなく無効化するとか、いろいろなことができる」と語っている。国際法には慣習国際法というものがある。「法的信念」「一般的慣行」の2点が要求される。この2点を満たして初めて法源として慣習国際法と認められる。

そもそもカイロ宣言で会談し署名をしたのはアメリカのルーズベルト大統領、イギリスのチャーチル首相および中華民国の蒋介石総統の3首脳である。米英中が領土を占拠したままであるのならばカイロ宣言の「領土不拡大」を持ち出すことは正しいが、参加していないロシアにまで、それを当てはめるのはあきらかに認識不足である。それこそ筋違いである(参考;カイロ宣言)

ところで、⽇本共産党が廃棄もしくは無効化すべきというサンフランシスコ条約という国際条約が締結された1951年、⽇本共産党は何をしていたのか︖

51年綱領または51年テーゼ(51ねんテーゼ)とは、⽇本共産党が1951年10⽉の第5回全国協議会(5全協)で採択した「⽇本共産党の当⾯の要求–新しい綱領」のことである。
内容としては、「⽇本の解放と⺠主的変⾰を平和の⼿段によって達成しうると考えるのはまちがい」「武装の準備と⾏動を開始しなければならない」とする暴⼒⾰命必然論に基づく武装闘争⽅針が⽰された綱領であり、これに基づき警察襲撃事件などが相次いだ[2][3]。 出典 Wikipedia『51年綱領』

第⼆次⼤戦終戦後、未来思考で世界が歩み始めた1951年に武装闘争を画策していた⽇本共産党が、国際条約を破棄や無効化するなどと発⾔するとは、開いた⼝が塞がらない。

⾮現実的で誤った認識を国⺠に植え付けることほど危険なものはない。そもそも、これほどの領⼟要求は戦争にでも勝たねば無理だ。⽇本共産党は⾃衛隊に否定的なばかりか、憲法改正にも反対で、戦争も嫌だという。しかし、核戦⼒と膨⼤な地上軍を抱えるロシアから千島全島を奪い返せという。

こういうのを誇⼤妄想というのだが、まさに今の韓国政府と同様である。そして、国家間で決められた条約を「無効化」すべきと考えるのも韓国政府と同様である。法の⽀配を実現し、それを基本的価値観として持っている国家の政党として、存在価値を疑わざるをえない。

そして、⽇本国⺠の悲願である北⽅領⼟問題で、⾜を引っ張る有識者がいる。 新潟県⽴⼤学教授の袴⽥茂樹⽒だ。こともあろうに⽇刊ゲンダイに登場し、「⽇本の対ロ認識は⽢すぎる」とし、ロシアは絶対に応じないと主張している。また、2018年11⽉18⽇の⽇経新聞でも「安倍⾸相は説明責任を果たせ」「ロシアへの卑屈な擦寄り」と⾮難している。要するに、世論を扇動して、安倍政権の北⽅領⼟交渉を叩き潰そうとしているのである。

元外務省主任分析官で、⽇本屈指のロシア専⾨家の佐藤優⽒も2019年1⽉1⽇発売の『アサヒ芸能』で指摘しているように、袴⽥教授は内閣情報調査室のロシア研究会のメンバーで、政府の謝⾦をもらっていたという。公⾦を受け取っていたのなら、それを返納すべきであるし、まずは内部で主張すべきことを主張するのが筋だろう。恩義も何もないのだろうか。せめて、この事実を公表してから批判するべきだろう。

⽇本共産党や袴⽥教授の無茶苦茶な外交論は、「2島+α」を着実かつしなやかに進める安倍外交のしたたかさを際⽴たせるものだったと⾔えよう。

この記事が気に入ったら
いいね ! をお願いします!

関連記事一覧