石破氏、訪中アピールが空振り

自民党の石破茂元幹事長が「ポスト安倍」に向け、新たなアプローチを始めた。外遊を増やして人脈作りを進める一方、バラエティー番組への出演も増やしている。
引用元 石破氏が新機軸 議員外交強化、バラエティ番組も(産経新聞2019年1月17日)

最初に申し上げたいのは、今は、「ポスト安倍」で動いている局面ではない。
北方領土問題、レーダー照射問題などを代表する韓国の暴挙への対応、米中貿易戦争で被害を受けないための対応、揺れるイギリスとの微妙な駆け引き、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進。日本は外交面で重要な課題をいくつも抱えており、残念ながら石破氏が出る幕はないが、与党議員の一人として政権を支える動きを見せるべきである。

そして、バラエティ番組で暇つぶししている場合でもない。今は、夏の参院選に向けて、自民党議員としては党一丸となって足場固めをするべき時期である。

そんな石破氏は、昨年末に中国を訪問。対中交渉ではなく、「ポスト安倍」アピールという自己満足のために。石破氏が最も弱点としている外交面でのアピールのつもりだったが、中国で冷遇された事実が明らかになった。

石破氏は「議員外交はとても大事だ。(訪中の)密度と頻度をあげていく」と満足げに語った半面、共産党最高指導部の政治局常務委員(いわゆるチャイナセブン)や政治局員との会談はセットされなかった。自身は「ポスト安倍」として出向いたようであるが、中国側はそのように受け取らなかった。「序列の高い方に会うことのみが貴からず」と強がって見せたが、虚しい訪中であったことには変わりない。

●訪中前の報道

王家瑞氏を囲む石破氏と石破派のメンバー

石破氏は宋慶齢基金会の王家瑞氏から招待され、中国訪問を決めた。王氏の他にも要人との会談の調整をしていた。石破派のメンバーも「石破氏の海外人脈づくりの第一歩にしたい」と述べたように、これまで外交が不得手と言われてきた石破氏のイメージアップを期待していた。しかし、過去に訪中した政治家の待遇と比べると、あまりにも恥ずかしい石破氏への中国の待遇が明らかになった。

●過去に訪中した政治家の待遇

・安倍総理

日中平和友好条約関係者との記念写真撮影

安倍総理の2018年10月の訪中スケジュールは以下の通りだった。

25日 午後  日中平和友好条約締結40周年レセプション等
夜  李克強総理主催少人数夕食会
26日 午前  栗戦書・全国人民代表大会常務委員長との会談
歓迎式典
李克強総理との日中首脳会談
署名式・共同記者発表
第三国市場協力フォーラム
昼  李克強総理主催昼食会
午後  北京大学における学生との交流
習近平国家主席との日中首脳会談
習近平国家主席夫妻主催夕食会

外務省 安倍総理の訪中より

習近平国家主席との日中首脳会談

李克強国務院総理との日中首脳会談

安倍総理の場合は、ぎっしりと詰まった日程で会談が行われている。中国トップの習近平首席、ナンバー2の李克強首相との会談で、実務的な内容を協議し、ウイグルにおける人権問題への懸念など、国際社会をリードする国家という立場としても主張すべきことを主張している。

一方、石破氏が会えたのは、NPO法人の代表一人、のみ。

では他の議員はどうなのか。

・二階俊博幹事長

2017年12月、訪中した二階氏と習近平主席との会談を中国メディアが一面で扱ったと産経新聞が報じた。
自民党きっての親中派の面目躍如で、二階氏も習近平主席と面談が出来ている。

・林芳正参議院議員、前文科大臣

2011年5月の林氏のHPでは「北京で習近平国家副主席や李源潮中共組織部長、武大偉、王毅両元大使などと会談をし、東日本震災対応への援助協力に対するお礼をのべ、農産物の輸入制限、観光客の渡航自粛、ガス田開発等々の両国間の課題について幅広く意見交換をしてきました。」と、当時はまだリーダーではなかったが、国家副主席でチャイナ7の習近平氏をはじめ役員・要人との会談を果たしている。

・小沢一郎衆議院議員

2009年12月に、小沢氏は民主党議員143名と一般参加者など483名を引き連れ訪中した。「小沢訪中団」と呼ばれ日中関係史上最大規模の訪中団と言われた。小沢氏自身は胡錦濤国家主席をはじめ、要人と会談を行った。当時の小沢氏は、石破氏がかつて経験したのと同じく、幹事長だった。しかし、この扱いの差である。

●中国政府の要人には会えず

石破氏が面会した相手は前共産党中央対外連絡部長の王家瑞氏だ。王家瑞氏は現在、宋慶齢基金会主席という役職に就いているが、政府の役職には就いていない。しかも、宋慶齢基金会とは、孫文の妻の名前をいただいて、慈善活動の基金の名称にしている慈善団体である。要するにNPO法人のようなものだ。名誉職である。

石破氏と王家瑞

つまり石破氏は中国まで出向いておきながら、中国政府の要人に会うことができず、NPO法人の代表にだけ面談できた。

これは石破氏のぱっと見の経歴と肩書には見合わない扱いである。石破氏も党三役の二つである政調会長・幹事長や各大臣を歴任した、一角の派閥の長であることから、経歴だけみれば二階氏や林氏、小沢氏と比べても遜色はない。一応、大御所のはずである。しかも総裁選を戦い、次期総裁選も名乗りを上げている人物となれば安倍総理に次ぐ存在と中国から見られてもおかしくない。

むしろ次期総理大臣の可能性があるならば今のうちに接触して懇意にすると思うのが普通である。
しかも、石破氏は、たびたび中国に媚びる言動を繰り返しており、安倍総理を何度も背中から攻撃している。

中国にとって都合がよい存在に思え、厚遇するのが普通に思える。だが、中国は相手にせず、冷遇した。

●中国政府からも相手にされない石破氏

冷遇した理由として考えられる、第一の理由は、安倍総理への配慮である。
いまやインド太平洋重視戦略に安倍総理がトランプ政権を引きずり込んだこともあり、米中関係は悪化の一途を辿っている。

そして、安倍総理による「自由で開かれたインド太平洋戦略」も着実に進みつつある。こうした中、日本までを敵に回したくないと考えるのは当然の思考だ。二正面作戦は避けるのが鉄則だからだ。となれば、安倍総理の敵を表立って厚遇するわけにはいかない。だから、石破氏は冷遇されたのである。

第二の理由は、石破氏が小物過ぎて、安倍総理を倒せないと中国が諦めたからである。石破氏は現在役職も何もなく、存在感を発揮できていない。政権への影響も皆無である。「何を打診されても断る」と取り付く島も与えなかったのは石破氏自身なので、自業自得だが。しかも、自民党内での評判も最悪である。これでは安倍総理を倒すなど、夢のまた夢。中国が石破氏に投資しても無駄だと考えるのは無理もない。まさに、石破氏の冷遇は、中国の安倍総理への降伏宣言でもあったわけである。

●文大統領と酷似

石破氏の状況が誰かとダブると思い考えてみたら、ふと頭をよぎったのが韓国の文大統領だ。

文大統領は2017年12月の訪中で、調整されていた李克強首相と昼食会も実現に至らず冷遇された。

文大統領は「中国13億人民の“さらし者”にされた」とも報じられた。

また、文大統領は2018年11月28日チェコ訪問でもミロシュ・ゼマン大統領と会談できなかった。ゼマン大統領からは文大統領におわびの手紙が送られたという。

文大統領は外交音痴で有名で、この点は石破氏と共通している。また、経済音痴という点も同じく共通している。日米韓の三国連携が重要性を増している最中に、自衛隊機にレーダー照射をしたように、仲間を背中から撃つのも同じだ。

大統領でも、会う価値のない人物は冷遇されたり会談できないのが世界の外交である。
だとすれば、石破氏が中国政府要人と会談できなかったのは自然の流れだ。


ポスト安倍として存在感を示したかった石破氏だが、中国政府要人との会談は実現せず、存在感は示せず失敗に終わった。
自民党内での影響力がない石破氏が中国政府要人と会談できる見込みは当初からなかった。また中国側としても、重要な人物であれば、会談を設定したはずだ。
石破氏は自らが置かれている状況を認識していないと言わざるを得ない。

石破氏は、総裁選はもう終わったことを理解し、今すぐ安倍総理に謝罪し、全員野球に参加させてほしいと懇願するべきだ。

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