
「核心説明から逃げるのか?」東大が学長選考の新文書を公表も、「時系列の説明」に終始し「判断の根拠」は示さず
東京大学の次期学長選考をめぐり、学内外から説明を求める声が相次ぐ中、東京大学が10月30日、新たな説明文書を公表した。
今回の文書では、9月28日に実施された選考会議の投票結果などが明らかにされた。
それによると、最初の投票では藤垣裕子教授が7票、染谷隆夫副学長が4票。上位3人による再投票では藤垣氏が12票、染谷氏が2票となり、最終的には議長を除く15人中14人が藤垣氏の次期学長就任を承認したという。
一方、事前に実施された教職員投票では染谷氏が1位で、藤垣氏はその約半数の得票で2位だった。
ここで誰もが疑問に思うのは、なぜ教職員投票で大きな差がついた結果が、選考会議では逆転したのかということだろう。
ところが、今回の文書で説明されているのは、4時間にわたって議論したことや、投票を何回実施したかといった選考の経過が中心である。
肝心の「なぜ藤垣氏を選んだのか」という判断の根拠が見えてこない。候補者の評価基準は何だったのか。染谷氏と藤垣氏の評価にはどのような違いがあったのか。教職員投票の結果を覆すほどの具体的な理由は何だったのか。
選考会議の判断を尊重することと、その判断に至った理由を説明することは別問題である。
東京大学は多額の国費が投入されている我が国最高峰の大学だ。だからこそ、学長選考の過程がブラックボックス化することだけは許してはならない。
時系列を並べて説明したつもりになっていないか。求められているのは経過報告ではなく、判断の根拠そのものである。
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