安倍総理の平成最後の外国訪問。訪問国とその狙いは?

平成も残すところわずかとなり、令和の時代がやってくる。

令和になってすぐ行われるのが、日本が議長国となる6月開催のG20大阪サミットだ。

そんな中、安倍総理が、米欧6カ国を訪問する。

安倍晋三首相は8日の政府・与党連絡会議で、今月22~29日に米欧6カ国を訪問すると表明した。米国では、2月末の米朝首脳会談後としては初めてトランプ米大統領と会談し、北朝鮮問題での連携を確認する。欧州では、6月に大阪で開く主要20カ国・地域(G20)首脳会議に向け、中国の不公正な貿易慣行を念頭に、世界貿易機関(WTO)改革など議長国として重視する政策への理解を求める方針だ。

引用元 安倍首相、22日から米欧6カ国歴訪 大阪G20控え「地ならし」

●平成最後の外国訪問

安倍総理は、平成最後の外国訪問とし、米欧6か国を選んだ。当然、6月に大阪で開催されるG20の地ならしの意味もある。

首相は連絡会議で「G20大阪サミットの成功に向けた緊密な協力を確認し、各国との協力関係を一層強化していく」と意気込みを語った。米国のほか、カナダ▽フランス▽イタリア▽スロバキア▽欧州連合(EU)本部のあるベルギーを訪れる。

引用元 安倍首相、22日から米欧6カ国歴訪 大阪G20控え「地ならし」

北朝鮮の非核化、中国との経済摩擦や軍事的膨張など、主に、経済と安全保障の分野で、各国と意見を交換し、すり合わせをしておく必要がある。

特に6月28、29日に開催されるG20大阪は日本が議長国である以上、円滑な会議の実施のためにも事前の調整は欠かせない。

●注目すべき訪問先、イタリアとスロバキア

中国が主導するシルクロード経済圏構想「一帯一路」。参加する国が、だんだんと増えています。23日には、イタリアが正式に参加を決定。主要7カ国(G7)のメンバーとしては初めてで、欧米諸国にとっては衝撃でした。

引用元 中国「一帯一路」、参加国なぜ増える? 欧米諸国に衝撃

中国の進める一帯一路構想に、イタリアが参加すると表明したことは記憶に新しい。

このイタリアの一帯一路への参加は、EU加盟国28か国の中で14番目だが、スエズ運河と大西洋のほぼ中間に位置するイタリアの参加は、中国の一帯一路構想とって大きな価値がある。しかも、イタリアはG7の一か国だ。

こうした中国の切り崩しに歯止めをかけるために、安倍総理が動いたとみるべきだ。

欧州訪問には、スロバキア訪問も含まれ、V4+日本首脳会議を行うことが予定されている。V4+日本首脳会議は、安倍総理が平成25年に初めて開催し、今回で3回目を迎える。V4諸国もイタリアと同様に、中国との覚書に署名している。

イタリア、そしてV4首脳会談。こうしてみれば、安倍総理の今回の首脳外交における大きな目的の一つには、中国が進める一帯一路を念頭に置いたものだとわかる。

中国の一帯一路は、拡大の道を突き進んでいる。

●中国の一帯一路構想

2015年の参加国は、60カ国ほどであったが、今年3月の記者会見で、王毅外相が明らかにしたところによると、123カ国まで増加している。

2013年に提唱された一帯一路は、地域の協力や開発、連結を促進するインフラ投資・建設プロジェクトに重点を置いた大陸横断プロジェクトだ。加盟国は貿易やエネルギー、交通などのネットワークへのアクセスを与えられるもので、中国はこれを「双方に発展をもたらすウィン・ウィンの関係」と謳っている。

だが中国の真の狙いについては、世界での影響力を拡大することではないかとか、一帯一路に参加すれば中国に依存することになりかねない、など懐疑的な見方も少なくない。現に一帯一路は現在、世界人口の3分の2をカバーし、同構想へのこれまでの投資総額は1兆ドルを超えたとみられる。

中国が投資することになったイタリアのジェノバ港は地中海で最も重要な港の1つ

引用元 「一帯一路」参加でイタリアは中国の港になってしまうのか

記事では、イタリアの港が中国の港になってしまうのではないかという心配もしている。実際、東南アジアの一部の国では、一帯一路に参加して、中国のインフラ投資援助に頼ったせいで、実効支配されているケースもある。

日本にとっては、欧州は米国と同じく、重要なパートナーである。しかし、中国の一帯一路により、欧州が各個に分断され始めているのが現実である。


今回の安倍総理の外国訪問は、6月に開催されるG20の地ならしの意味もあるが、それ以上に、東欧にまで拡大を続ける、中国の一帯一路構想に釘をさすことに大きな意味がある。

今回の平成最後の首脳外交がどのような成果を生むか要注目だ。

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