立憲民主党、改憲派VS護憲派の党内抗争激化

立憲民主党の党内抗争が水面下で激化している。

枝野代表と福山幹事長の執行部が、護憲派の辻元清美議員にすり寄って、改憲派の山尾志桜里一派を切り捨てにかかっているのだ。

立憲民主党の改憲論「立憲的改憲」とは何か?

まず、山尾一派が掲げる改憲論「立憲的改憲」とは何か。

以下の画像にあるように、彼女らは憲法九条のあいまいさが、政府による恣意的な解釈・運用を可能にしていると問題視している。そして、彼女らはもっと明確にできること(専守防衛)、できないこと(海外派兵)を峻別し、個別的自衛権の範囲で戦力を認めるとしている。

多国籍軍へも個別的自衛権で参加するとしている。

また、憲法裁判所の設置、首相の解散権の制限、同性婚の容認、臨時国会召集要求に応じる期限などを書き込むべきとしている。

山尾一派は誰だ?

こうした考えは、山尾しおり議員とその政策顧問の倉持麟太郎氏が主導し、立憲民主党内外で訴え、一定の支持をリベラル内で得てきた。

例えば、立憲民主党内における熱烈な賛同者は、落合貴之衆議院議員(参考)、堀越けいにん議員(参考)や長谷川かいち議員(参考)だ。彼らはいずれも立憲的改憲を公言している。

消極的賛成だが、長妻昭衆議院議員も近いようだ。(参考)倉持麟太郎氏によれば、党内部では全部で15人程度賛同する議員がいるそうだ(参考)。

立憲民主党の外部では、国民民主党の玉木代表が支持を表明している。

石破茂元幹事長も同様だ。彼は山尾議員の立憲的改憲論を以下のように好意的に紹介している他、山尾議員やその「政策顧問」の倉持麟太郎と積極的に講演会を実施している。

立憲民主党の山尾志桜里衆院議員の対談集「立憲的改憲」(ちくま新書)は極めて示唆に富むものでした。これは法律家でもある山尾議員と、阪田雅裕・元内閣法制局長官、伊勢崎賢治・東京外語大教授、井上達夫・東大教授、駒村圭吾・慶大教授など、比較的新しい世代で、かつ教条主義的ではない門家たちとの対談集なのですが、相当程度、頭の整理になり、展開されている論理も精緻なものだと感じました。

引用元 憲法議論など

ネット上では、共産党の一部にも広がっていると言われている。

これは説得力がある。まず、山尾議員は改憲を主張しており、護憲原理主義の共産党とは水と油のように見える。だが、山尾議員は、共産党の仁比聡平参議院議員と憲法論議のイベントを仲良く行っている。これは共産党の一部に、山尾議員に賛同している勢力があることを示している。

共産党は自衛隊を違憲と見なしているが、政権獲得できたとしても国際環境の安定化と国民の理解がなければ廃止しないと断言している。つまり、改憲などで整合性をつける必要があり、共産党の一部に山尾議員の主張に賛成する人間がいることはおかしくない。

最後に、山尾志桜里議員の「政策顧問」倉持麟太郎氏は、枝野代表の野党共闘に消極的な姿勢を批判していた。これは裏を返せば、党外の立憲的改憲派と同調しないことを批判しているともいえる。

しかし、立憲民主党内では立憲的改憲論は少数派だ。

当初は賛成していた枝野代表、手のひらを返して山尾議員を干す

当初は枝野代表は、山尾理論に賛成していた。

これは以下の小林よしのり氏も描いているように、枝野代表は「立憲民主党に教条主義的護憲派はいません」「ほぼ憲法論については山尾さんが言うことと私が言うことは一緒」とまで絶賛。立憲的改憲を行うと断言した。

党の方針もこれに同調。2017年に発表された「立憲的憲法論議」では、「国民にとって真に必要な改定があるならば、積極的に議論、検討する。いわゆる護憲と改憲の二元論とは異なる、「立憲的憲法論議」を基本スタンスとする。」と断言し、改憲論によった。枝野代表が、山尾志桜里議員を立憲民主党憲法調査会事務局長に任命したのだから当然だが。

しかし、ここにきて枝野代表は、党内主流派の護憲原理主義に180度転換した。週刊文春の最新号の報道によれば、枝野氏は、山尾氏に憲法問題を任せるという約束を反故にして、ゴリゴリの護憲派の辻元清美国対委員長に憲法問題を一任したのだ。

実際、週刊文春によれば、山尾氏は「枝野さんに裏切られた。憲法を任せてくれない」と愚痴っているという。これは倉持氏や小林よしのり氏が、急に枝野批判を始めたことと符合する。

しかも、枝野代表は政治知新でも紹介した山尾氏の問題投稿について「山尾氏にはしばらくは活躍の場はない」とまで言ったという。

こうして立憲民主党の改憲派は政争に敗れたのだった。


所詮は支持率3%のコップの中の政争でしかない。山尾議員の主張する内容も、多国籍軍参加は可能だが、個別的自衛権に限定する意味不明な内容だ。そして、支持率低迷により、急速に左傾化する枝野代表が選んだ道は、古臭い護憲主義。

どっちにしろ、終わっているが、立憲民主党の分裂すら見えてきた。

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