メディアが報じない「携帯料金引き下げ法案」の概要

昨年8月、菅官房長官が定例会見で「携帯電話料金は4割下げられる余地がある」と発言したことで、話題になった携帯料金の見直し。

メディアは「非現実的だ」「法的根拠がない」と批判したが、無事に閣議決定、国会に提出、そして衆院を通過した。しかし、当初盛んに批判していたメディアは、法案が内閣法制局の厳しいチェックを経て無事に衆院を通過したのに、ほとんど無視。国民のお財布に直接影響する重要法案なのに・・・。

というわけで、ご紹介。

●携帯料金引き下げ法案が国会を通過

携帯電話料金の引き下げに向けた電気通信事業法の改正案が23日午後の衆院本会議で全会一致で可決し、参院に送付された。通信料金とスマートフォンなどの端末代金の分離を携帯会社に義務づけることが柱となる。今国会中に成立する見通しで、政府は秋ごろに施行し、携帯各社による料金下げを期待する。

引用元 携帯料金引き下げ法案が衆院通過

携帯電話は、料金体系が複雑かつ煩瑣で、料金明細を見ても把握できていないという利用者も多い。だいたい、日本の携帯電話料金は高すぎる。これは発展途上国であっても、携帯電話が普及していることからも明らかだ。


引用元 http://www.garbagenews.net/archives/2437947.html

●背景には、安倍総理と菅官房長官の問題提起

そもそもの根源は2015年9月、安倍総理が「携帯電話の家計の負担軽減は大きな課題だ」と問題提起したことに始まる。

これを受けて2018年8月、菅官房長官は、東京新聞の望月記者が無用な質問で時間を無駄遣いすることで有名な定例記者会見で、以下のように発言した。

通信費の国際比較にはさまざまな方法がある。その中でOECDの調査によると(日本の料金は)OECD加盟国平均の2倍程度他の主要国と比べても高い水準にある、と報告を受けている。また、携帯電話事業の参入を新たに示した楽天は、既存事業者の半額程度の料金に設定することを計画して公表している。これらを踏まえて、今よりも4割程度、競争しっかり行えば下げられる余地があるのではないか、との見通しを申し上げた」

また菅官房長官は「携帯電話は、公共の電波を利用して提供されている。その中にあって、料金不透明、諸外国と比べて高いと指摘がある」と述べ、総務省を中心に、公取委も含めつつ、期間拘束などの取引慣行、接続料のあり方、中古端末の流通促進などの課題へ、スピード感を持って対応したいと説明。「ユーザーにとってわかりやすく、納得いく料金サービスを実現したい」と意欲を見せた。

引用元 菅官房長官の「携帯料金4割下げられる」発言の根拠が明らかに

こういった総理と官房長官の問題提起を受けて、政府は携帯料金引き下げ法案を国会に提出した。

本法案の正式名称は「電気通信事業法の一部を改正する法律案」である。(参考資料;電気通信事業法等の一部を改正する法律案について~世界最高水準のICT基盤の普及・発展に向けて~)

●電気通信事業法の一部を改正する法律案の概要と改正理由

引き下げ法案の概要は以下の通り。

モバイル市場の競争の促進及び電気通信市場の環境の変化に対応した利用者利益の保護を図るために、電気通信事業法の一部を改正し、必要な措置を講ずる。

引用元 電気通信事業法の一部を改正する法律案について

また、自民党の小林史明衆議院議員が、ホームページでわかりやすく解説している。

今回の法改正のポイントは3つです。
・通信と端末の分離を徹底し、同じ通信事業者なのに通信料金が端末メーカーによって違うということをなくします。
・販売代理店を届出制度にして、チェックをしていします。違反があれば罰則を適用します。
・電話勧誘等で、大手キャリアを名乗りながら違う会社が営業をすることなどへの規制を強化します。

強調したいのは、
・今回の通信と端末の分離によって、端末補助金が全て禁止になるかということではありません。つまり、端末代金の割引がなくなる、という話ではありません
・端末は端末で販売をする際に補助を出すことは可能です。ただ、通信とセット料金でどっちの料金が割り引かれているか、分からないようにして売るのは禁止をします。

ということです。

引用元 電気通信事業法改正案閣議決定 携帯料金はどうなるのか

「スマホ購入を条件に通信料を割り引く」といった、料金形態の複雑化の原因となっているプランを禁じ、しかも、端末と通信を分離することで不可能にする。

そして、次々に新機種を買い替える一部のユーザーが値引きされるといった事態もこれにより防止する。

つまり、消費者に対する各社サービスを単純化させ、契約を透明化し、競争ルールを一律化する。

これにより、消費者をあえて理解しにくくさせるような複雑な料金体系を廃止させ、通信料が全体として下がりやすい環境を整えるのが狙いだ。まさしく携帯電話における公平性と透明性を確立する画期的な法案だ。


日本の携帯市場は、大手3社が占めている状態で、事実上の独占状態にある。つまり、消費者にとっては、この3社には逆らえないし、彼らがいずれも複雑怪奇な契約システムをしていても逆らえない。

だからOECD諸国の2倍以上もの不便な料金を強いられる。

ここに、政府がメスを入れたのは非常に大きく、意味がある。

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