日米首脳会談の最大の成果:トランプ大統領、安倍総理に貿易交渉の延期を提案

数々の成果が上がっている、安倍総理平成最後の外遊。

今回は、4月17日に行われた米国での日米首脳会談を、ご紹介する。

トランプ大統領「貿易交渉は参議院議員選挙後にしよう」

5月1日、米雑誌「Time」は「トランプ大統領は、日本の安倍総理に貿易交渉の休戦を申し出た(Trump Gave the Japanese Prime Minister a Break on Trade、 For Now)」と題する記事を掲載した。

その内容をかいつまむと、以下の通り、驚くべき内容だった。

・ドナルド・トランプ大統領は先週、安倍晋三総理大臣に配慮し、貿易決定に関する交渉の開始を夏の参院選まで遅らせたと複数の米高官がTime紙に語った。

・トランプ大統領は、彼が安倍総理との関係を尊重し、日本に対して自動車や農産物で厳しい態度をとるライトハイザー特別代表のアドバイスを無視するという決断を繰り返し述べた。もちろん、トランプ大統領は、日本が市場開放に応じなければ、日本の自動車に25%の関税を課すという彼の脅しを放棄しなかった。

・トランプ大統領は5月18日が自動車関税決定の期限となっているが、交渉が継続している場合や他の措置を取る場合、彼は決定を最大180日遅らせることができる。

これは交渉戦略上、米国にとっては大きな決断であった。

参議院議員選挙を前にした安倍総理にとって、選挙前に貿易交渉を行うのは若干不利な状況。選挙で勝利するためには、自民党の強力な票田のある農林水産物の分野で妥協することが難しく、自動車や他の分野で交渉せざるを得ない。

トランプ大統領にしてみれば、上記のような状況に置かれた安倍総理を追い詰めやすい立場にあったはず。もし、安倍総理率いる自民党が参院選で勝利し、参院選後に交渉を行うことになると、有利になるのは日本国内で支持を得た安倍総理陣営の方だ。

しかし、あえてトランプ大統領は、ライトハイザーなどの側近の提案を退けて、交渉を延期する決断をした。それは安倍総理への信頼の証であり、もっとも必要とするパートナーだからと言える。

他国に対して強硬な姿勢を崩さないトランプ大統領の動向を鑑みれば、この一点を勝ち取っただけでも、大きな収穫と言えよう。静かなる勝利である。

北朝鮮問題では完全に一致し、濃密な連携を確約

また、北朝鮮問題でも、大きな成果があった。

・両首脳は、米朝首脳会談を含めた北朝鮮との接触(talks)の全ての分野で両国が完全に連携し続けるとの意思を表明。

・最近、北朝鮮の側から対話を求めてきていることは、日米韓三か国が緊密に協力し、中国など国際社会とも連携して、北朝鮮に最大限の圧力をかけてきた成果であるとの認識を共有。

・北朝鮮に対して最大限の圧力を維持していくことを確認。

・北朝鮮が完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの計画を放棄する必要があることを確認。

・安倍総理は、トランプ大統領に対し、来る米朝首脳会談において拉致問題を取り上げるよう要請。トランプ大統領は、昨年11月に訪日した際、拉致被害者の御家族と面会し、強い印象を受けたことに言及しつつ、金正恩国務委員長との会談でこの拉致問題を取り上げ、北朝鮮に対し日本人拉致問題の早期解決を働きかけることを確認。

・トランプ大統領は、北朝鮮の「瀬取り」に対する日本政府の取組を賞賛し、米国は他の多様なパートナーと共に、日本と連携してこの取組を進めていくことを表明。

こうした合意事項からは、あらゆるミサイルと核の放棄が日米の共有目標となっており、拉致問題でもトランプ大統領が安倍総理と同じ思いであることが伝わってくる。

このような総理大臣は今までいなかったのではないだろうか。

また、注目すべきは、日本側の「瀬取り」対策に対し、米国が感謝の意を示し、他の国家とともに日本を手伝いたいとまで主張していること。これこそ、対米追従ではなく、むしろ日本が米国を引っ張っている明白な根拠である。

また、日本が進める「自由で開かれたインド太平洋構想」の推進や対中政策でも合意に至ったという。


このように、日米首脳会談でも、勝ち取るべきものを勝ち取り、主導権を発揮した。

この会談に関して、日本のメディアは、韓国メディア発のカーペット云々といった、些細な拡大解釈にばかり振り回されていたのが実態。くだらない報道内容に呆れるばかりではあるが、しかしこれは、日米首脳会談を含む外遊の成果が予想よりも大きく、現政権を批判する点がなかったことの裏返しかもしれない。

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