根本大臣がパンプス強制を容認?!参院選間近のフェイクニュースの作り方

『パンプスやハイヒールを強制することをなくそう』、という「#KuToo運動」またはパンプス運動問題を巡り、根本匠厚生労働大臣の発言が切り取られ「パンプス強制を容認」と、全く逆の意味の内容にすり替えられた。

以下、ファクトチェックを行い、メディアの典型的なフェイクニュースを証明する。

●パンプス運動問題

#KuToo運動は、「#Metoo運動」になぞらえ、靴(クツ)と苦痛(クツウ)をかけたものとして社会的に広まりを見せている。職場でのパンプス・ハイヒールの強制に反対し、女性が自由に靴を選んで履けるようにしようという運動である。

インターネットで集まった署名は、厚生労働省に提出された。

きっかけとなったのは、2019年1月の石川さんのつぶやきだった。

「私はいつか女性が仕事でヒールやパンプスを履かなきゃいけないという風習をなくしたいと思ってるの」「なんで足怪我しながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこぐつなのに」と、葬儀の案内のアルバイトをしているという石川さん。

職業柄、パンプスで足音を立てないように気を遣うことのつらさを訴えたところ、3万件近くのリツイートで拡散。その後、「KuToo運動」を立ち上げると、4カ月足らずで1万8,000人を超える署名運動へと発展した。

●根本大臣の国会答弁

物議を醸したのは根本大臣の発言である。

女性にハイヒールやパンプスの着用を指示する、義務付ける、これは社会通念に照らして、業務上必要かつ相当な範囲かと、この辺なんだろうと思います。それぞれの業務の特性がありますから」

質問に答える根本匠厚生労働大臣

引用元 パンプス強制、根本答弁は「容認する発言ではない」 厚労省が見解示す

と述べ、あくまでも業務上必要な範囲内かどうかが大事だ、という見解を示している。

また、根本大臣は次のようにも述べた。

「職場において女性にハイヒールやパンプスの着用を指示すること、これについては今、パワハラという観点からのお話でした。当該指示が社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲を超えているかどうか、これがポイントだと思います。そこでパワハラに当たるかどうかということだろうと思います。一方で、たとえば足をケガした労働者に必要もなく着用を強制する場合などはパワハラに該当し得ると考えております。そこは職場でどういう状況の中でなされているのかというところの判断かなと思います」

引用元 パンプス強制、根本答弁は「容認する発言ではない」 厚労省が見解示す

明確に、業務上必要がないのに強制すればパワハラに該当する、としている。根本大臣は、パンプス着用の強制はパワハラだと断言しているのだ。

しかし、メディアは都合の良い所だけを切り取り、都合の良い解釈で根本大臣がパンプス強制を容認しているかのように報道した。

●「容認」とフェイクニュースを報じたメディア

以下、根本大臣がパンプス強制を容認したと嘘を報じたメディアだ。

根本大臣がハイヒール強制を容認したと報じるメディア

・ハフポスト
根本匠・厚労相が「#KuToo」運動に否定的な見解。ハイヒールやパンプスの義務付けは「社会通念に照らして業務上必要な範囲か」

・共同通信
根本厚労相、パンプス強制を容認

・朝日新聞
職場でハイヒール強制「業務上必要なら」 厚労相が容認

・産経新聞
ハイヒールとパンプス「業務で必要なら…」 女性に着用義務で厚労相

この中で、朝日新聞と共同通信の報道が典型例なのでピックアップする。

根本匠厚生労働相は5日の衆院厚労委員会で「業務上必要かつ相当な範囲」であれば容認する姿勢を示した。
(中略)
根本氏は「女性にハイヒールやパンプスの着用を指示する、義務づける。これは社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと、このへんなんだろうと思う」と述べた。

まずは朝日新聞。恣意的な切り取りで、「そこでパワハラに当たるかどうかということだろうと思います。」という根本大臣の直後の発言がなかったことにされている。

次に共同通信だが、これも酷い切り取りによる印象操作を行っている。

女性にハイヒールやパンプスを強制する職場があることに関し、根本匠厚生労働相は5日の衆院厚労委員会で「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲」と述べ、事実上容認する考えを示した。

業務上必要がなければパワハラに当たると根本大臣が明言した点は無視し、全く逆の意味で「業務上必要な範囲」と報じている。

しかし、こうした中でも読売新聞は正確なファクトを紹介していた。読売新聞は「職場でハイヒール強制『パワハラに該当しうる』」という見出しで次のように報じている。

職場でハイヒールを着用するよう指示することがハラスメントに該当するかどうか質問され、「必要なく着用を強制する場合にはパワハラに該当しうると考えている」との見解を示した。

同じ切り取りでも、要点をしっかりついている読売新聞と、いかにも大臣に非があるように思わせる共同通信他のメディアとの違いは明らかだ。

こうやって見比べると、フェイクニュースがどのように生まれるかがよくわかる。


参院選間近になり、いつも以上に国会での発言が取り上げられる機会が増える。そして、与党の発言だけが歪められて取り上げられ、野党が与党を追及するという構図がお決まりのパターンだ。

選挙間近になって、国民にデマをばらまき事実誤認させるようなメディアは、メディアとしての資格はない。

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