日・マレーシア首脳会談により、「新東方政策(日本に学ぶ政策)」が始動!

5月31日、マレーシアの黄金時代を築いた「国父」「中興の祖」「カリスマ」であり、再び首相に再登板となった、マハティール首相がわが国を訪問し、安倍総理と首脳会談を行った。

そこで、マハティール首相は、1981年から2003年の前回の在任時に掲げた「東方政策(日本に学ぶ政策)」を再始動し、日本とともに「新東方政策」を実施することを宣言した。

日・マレーシア首脳会談により「東方政策」が再始動

まず、安倍総理は、再登板したカリスマであるマハティール首相の指導力に敬意と称賛を示し、マハティール首相が「東方政策」を再活性化することで日本との関係を深化させたいとの意志に感謝を示した。

マハティール氏は東南アジア諸国きっての親日家だ。

この東方政策とは以下のようなものである。

東方政策とは、1981年 にマハティール前首相が提唱した構想で、日本及び韓国の成功と発展の秘訣が国民の労働倫理、学習・勤労意欲、道徳、経営能力等にあるとして、両国からそうした要素を学び、マレーシアの経済社会の発展と産業基盤の確立に寄与させようとするマレーシア政府の政策です。

(中略)

日本は1982年以降今日に至るまで、東方政策の下で約12,000名の研修生・留学生を受け入れてきました。その中でも特に留学プログラムは、日本語に堪能で、日本人の考え方や価値観、日本文化を深く理解する卒業生を数多く送り出してきました。彼らはマレーシアにおいて日本関連の文化事業に携わったり、日本語を教えたり、日本の地方自治体で国際交流を担当したりするなど、まさに日本とマレーシアの「架け橋」として、日マ関係の相互理解 と友好促進に大きく貢献しています。

引用元 在マレーシア日本国大使館

日本の成功に学び、そして、日本との人材交流や経済協力を実行していくのが、従来の「東方政策」であった。

それでは、今回再開が決まった「新東方政策」とは何か。

安倍総理とマハティール首相が宣言した「新東方政策」とは?

具体的には、経済協力と人材交流を強化し、新たに日本の鉄道網などのインフラ輸出と安全保障面での協力を追加するという極めて大胆で野心的な取り組みである。

具体策は既に進んでおり、今回の首脳会談で両者が高く評価した案件と意義を以下に列挙する。

財政面での協力:国債の相互発行

・JBIC(日本国際協力銀行)が保証人となってマレーシア政府が募集した、2000億円ものサムライ債(海外の政府が日本国内で募集する円建て国債)が、2019年に成功裏に募集を終了。また、安倍総理は、マレーシア政府がサムライ債追加発行する場合は、再びJBICが保証人となることを表明した。

・また、マハティール首相は日本政府の協力で自国の財政基盤が強化されたことに深く感謝し、同様に日本政府がマレーシアにおいて国債やイスラム債(イスラム法を)スクークを発行することを促した。

人材面での協力:日本初の海外分校がマレーシアに設立!?

両首脳は、日本の大学の分校をマレーシアに設立することに向けた調整が着実に進展していることを確認し、なかでも筑波大学が分校設立に強い関心を示していることを評価した。もしこれが実現すれば、日本の大学にとって初めての海外分校となる。両首脳は、この歴史的な事業の成功に向けて互いに協力し、支え合う決意を強調。

マレーシア交通網への日本のインフラ輸出の第一歩

両首脳は、2019年8月に最終報告となる、日本のチームによるマレーシアにおける総合交通調査(陸海空における旅客と貨物の交通手段が対象)が順調であることを確認した。この調査の結論部分には、今後のマレーシアにおける、あるべき交通政策、鉄道網提案、道路・航空・港湾の交通機関とシナジー効果を生み出すための施策が含まれる。つまり、日本政府が今後のマレーシアの交通政策を作ると言っても過言ではない。

・このプロジェクトは既にスタートしている。マハティール首相は、マレーシアの鉄道技術者のための人材育成研修プログラムが、JR九州と JR貨物によって実施されていることへの感謝を表明したが、これは既にマレーシアの鉄道整備が日本型になりつつあることを示している。これは日本の鉄道インフラを輸出する上で有利になることは間違いない。

安全保障面での強化

・両首脳は、防衛装備品及び技術移転協定及び防衛協力・交流の覚書に基づき防衛協力を推進することの重要性で一致。また、マハティール首相は、マラッカ海峡における航行の安全を維持することの必要性を強調し、日本の協力を要請。これに安倍総理は協力を表明。これにより、マラッカ海峡への日本の影響力が高まり、中国の一帯一路構想にくさびを打ち込みつつ、現政権が掲げるインド太平洋構想の成功の土台となった。

・北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決に向けた連携も確認。

「いずも」乗艦中の陸上自衛隊水陸機動団とマレーシア陸軍との防衛交流。

このように、今回、安倍総理がマハティール首相と合意し、推進することになった「新東方政策」は、日本が南シナ海における確固たる経済的・安全保障的基盤を確保し、しかも、日本の輸送インフラの輸出すら見えてくる壮大なものであった。

今後の展開に注目だ。

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