
橋下徹氏「(大阪府のパチンコ店公表は)知事の義務として知事に責任を負わせ政府は知らん顔」と珍説!国と自治体の役割を理解していないの?それともパチンコ大好き?
新型インフルエンザ等特措法に基づいて、大阪府など各自治体がパチンコ店に休業要請を出し、多くのパチンコ店が要請に従い休業する中、一部のパチンコ店が要請を無視して営業を続けていた。
そんな中、大阪府は4月24日パチンコ店の店名公表に踏み切った。
大阪府はこれまで改正新型インフルエンザ対策特別措置法24条9項に基づき、商業施設などに休業に協力するよう要請してきた。同法は応じない場合、45条2項で行政指導としての要請を行い、同条4項で「遅滞なく、その旨を公表しなければならない」とある。
ところが、この法律を「クソ法律」と非難する人物がいた。
元大阪市長の橋下徹氏「法律を作った者たちはどアホ」
橋下氏は特別措置法の作成者を「どアホ」と非難した。
「吉村大阪府知事を批判していた人たちは法律の条文を読んでいるのか? 法45条2項3項で休業要請・指示をした場合には法45条4項によって『遅滞なく』『公表しなければならない』となっているんやで。公表することは「義務」だから全国の知事が続々と公表し始めた」とつづり、公表が新型コロナウイルス改正特措法の条文に則していたことを明かした。
公表後は、要請に応じることなく営業を続ける店舗に客が殺到する事態になったが、「これは制裁的な意味もあるが、権力を行使した場合にはそれを公表させることで『権力を監視する』必要があるとして義務付けた。どアホッ!法律を作った者たちは、店名を公表すればどういう事態を招くか想像できなかったのか!」と法律作成者への責任を求めた。
橋下氏は罰則よりも店名公表の方が懲罰としては重いと考えており、「休業要請・指示に罰則がないから補償はない。その代わり罰則よりも重い公表で圧力をかける。そしてそれを知事の義務として知事に責任を負わせ政府は知らん顔。どこまでこの法律はクソ法律なんや」と怒りを募らせた。
橋下氏は、店名公開がまるで公開処刑と言わんばかりだ。
それでは確認の為、特別措置法を見てみよう。
第四十五条
(略)
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、(中略)当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
3施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。
4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
冒頭でも述べたように、45条2項で行政指導としての要請を行い、同条4項で「遅滞なく、その旨を公表しなければならない」とある。そして、同条3項には、要請に応じなければ、さらに強い指示を行うことが出来ると書いてある。つまりこれは国の法律で規定されているルールなのである。
大阪府もパチンコ店の公表をすれば、ギャンブル依存症の人達が公表したパチンコ店に殺到することは想定の範囲だったはず。結果法律に則り、そして、パチンコ店がクラスター化することを防ぐためにパチンコ店に休業を要請し、従わなかったから店名を公表したのだ。
何が重要かといえば、3項にある「新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避する」ための法律であり、対応だ。
それを公開処刑のように言うが、政府が再三お願いしているにもかかわらず、協力しない店長の方が「どアホ」だ。
各業界が、休業に従っているのに、目先の利益ばかりを追求している者を非難しないとは、橋下氏には幻滅するしかない。そんなにパチンコ大好きなの?
知事の義務として知事に責任を負わせ政府は知らん顔?
橋下氏は「知事の義務として知事に責任を負わせ政府は知らん顔」と言っているが、元知事、元市長のものとは思えない発言だ。完全に仕組みを勘違いしている。
政府は、橋下氏が指摘した「知らん顔」をしていたわけではない。政府は知事等からの求めに応じ、店舗名の公表にかかるガイドラインを定めた。
政府は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために都道府県知事の休業要請に応じないパチンコ店などの事業者に対し、施設使用制限の指示や店舗名の公表などより強い措置を講じる場合のガイドラインを定め、全国に通知した。
(略)
緊急事態宣言の発令に伴う休業要請の実施後も、営業を続けるパチンコ店に大勢が集まり、県を越えて来店する人も見られるため、知事らが問題視していた。千葉県の森田健作知事は22日、自治体が訴訟リスクを抱える可能性もあるとして、政府にガイドラインを作成し、法的根拠を明確にすることを求めていた。
(略)
ガイドラインを定めた政府の対応を見れば、政府が「知らん顔」をしていたという橋下氏の指摘は的外れではないのか。つまりガイドラインを作っており「あとは勝手にやってくれ」などとは国は言っていない。また、こうした形式は欧米でも基本的に同じだ。
政府・自治体が一体になって、新型コロナウイルスとの闘いに取り組んでいる中、橋下氏の批判は、両者の取り組みに水を差すものにほかならない。
先日も、こんなやり取りがあった。
吉村知事が施設の再開などを判断するための基準を「国が示さなかった」として、政府を批判したが、西村経済再生担当大臣は「休業の要請や解除は知事の裁量で行うものだ」と述べた。
記事は正確ではない。休業の要請・解除は知事の裁量。解除する基準は当然ご自身の説明責任。また都道府県の裁量・権限の拡大を主張しながら、自身の休業要請の解除の基準を国が示してくれというのは矛盾。仕組みを勘違いしているのではないか。
緊急事態の解除の基準は国の責任。近く明確に示す方針。 https://t.co/LhGxVr0CHw— 西村やすとし #ステイホーム (@nishy03) May 6, 2020
吉村知事も潔く自身の間違いを認めTwitterで謝罪。
西村大臣、仰るとおり、休業要請の解除は知事権限です。休業要請の解除基準を国に示して欲しいという思いも意図もありません。ただ、緊急事態宣言(基本的対処方針含む)が全ての土台なので、延長するなら出口戦略も示して頂きたかったという思いです。今後は発信を気をつけます。ご迷惑おかけしました。 https://t.co/IiF5iECsob
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) May 6, 2020
橋下氏は、弁護士のくせに法律における国と自治体の役割を理解していない。そもそも現行憲法は、合衆国憲法の劣化コピーであり、自治体の権限が強い。前述したが、基本欧米も同じルールだ。
特措法に基づき、国は指針を示し、各自治体で判断し対応にあたる。国はそのための支援を要請されたら協力する。まさに連邦政府と州の関係だ。また地方毎に状況が違うと言う現実もある。そうしたことがわからないのだろうか?
これは災害時の対応と同じ。
橋下氏に、大阪を立て直すため尽力していたあの姿はもう微塵もない。
政界を去った橋下氏には、政府・自治体が、国難に取り組んでいる最中は、黙っていて頂きたい。最後に橋下氏が現役時代に行っていた言葉を、橋下氏にそのままお返ししよう。
「偉そうに政治を語っている連中は、誰も政治をやったことがない者ばかり。口で言うのと実行するのは大違い。」
「文句言うならお前がやってみろ!!」