トランプ大統領、暴動扇動の抗議デモ、極左勢力「ANTIFA(アンティーファ)」を「テロ組織に指定する」SNSで表明。ネット「日本も要注意だよ」との声
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は5月31日、中西部ミネソタ州ミネアポリスでの白人警官による黒人暴行死事件を受け全米各地で抗議デモや暴動が起きている問題で、「アンティーファ(ANTIFA)」と呼ばれる極左勢力が暴力行為を扇動しているとして「テロ組織に指定する」とツイッターで表明した。
アンティーファは「反ファシズム」や「反グローバリズム」を唱える暴力集団で、これまでも国際会合の会場周辺などで警官隊を襲撃したり、社会不安をあおる目的で車両や商店を焼き打ちしたりするなどの行為を繰り返してきた。
トランプ氏や米政権高官らは、各地での黒人暴行死に対する抗議デモがアンティーファや他の「扇動勢力」に乗っ取られ、「言論の自由の下で保証された平和的デモから逸脱している」と指摘。バー司法長官は31日、「一連の暴動でアンティーファやその同調勢力により扇動され実行された暴力行為は国内テロであり、しかるべく対処する」との声明を発表した。
ミネソタ州の治安当局者は、30日のミネアポリスでの暴動で逮捕された容疑者の約20%が州外の居住者だったと指摘し、一定規模のデモ参加者が混乱を拡大させる意図で外部から投入されたとの認識を示した。
ただ、現行の法制では国内の組織や団体を「テロ組織」に指定する法的根拠がない。また、アンティーファは指導者や構成員が明確な組織体ではなく、極左思想の持ち主がソーシャルメディアなどで緩やかに連なっているだけと指摘されるなど実態が明確でなく、実際にテロ組織に指定できるかは定かでない。
全米15州と首都ワシントン(コロンビア特別区)では31日、州兵部隊計5000人規模が出動した。トランプ氏は31日、民主党系が知事や市長を務めるミネソタ州や西部カリフォルニア州、東部ニューヨーク州などで暴動が激化していることを念頭に、これらの知事や市長に「もっと厳しい措置をとれ」とツイッターで要求した。
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