《高プロ制度》含む働き方改革関連法案が衆院通過。制度導入でどうなるの?

採決が先送りされていた働き方改革関連法案が31日、衆院を通過し、参院に送られました。

高度な専門職を、労働時間規制の対象から除外する「高度プロフェッショナル制度」の導入を目指す政府与党と、

これを法案から削除するよう求める野党との間で激しい議論が続いています。

野党は参院においても引き続き削除を求める構えですが、今国会中に成立する可能性が高いでしょう。

高度プロフェッショナル制度は、年収1075万円以上の高度なスキルを持つ社員を、労働時間の規制対象から外すというものです。経済界が強く導入を求めていることから、自民党は、何としてもこの項目を法案に盛り込みたい意向で、23日の衆院厚生労働委員会で安倍首相は「わが国にとって待ったなしの課題。削除する考えはない」と明言していました。野党はこれを「残業代ゼロ法案」として、削除を求めてきましたが、一部の野党と与党が、高プロ制度の適用後も本人の意思で撤回できるという修正案で合意したことから、衆院での可決が実現しました。

 この制度は、研究職やコンサルタント、アナリストなど、年収が高く、かつ専門性の高い職種が該当するとされていますが、一部からは、無制限の残業につながることを懸念する声が上がっています。また、一部のブラック企業では、それほど専門性の高くない人材を無理矢理、高度プロフェッショナル社員に認定し、残業代を払わない可能性があると指摘する声もあるようです。

 もっとも、こうした高度専門職の人たちは、現状においても実質的に裁量的な労働をしていることが多く、年収1075万円以上の高度専門職というカテゴリーに本当の意味で該当している人たちにとっては、この制度が導入されても大きな影響は受けないでしょう。ただ、一部の企業においては、労働者の意思に反して事実上の裁量労働制に移行させられてしまうケースが出てくると考えられます。

 これ以外にも、制度が導入された場合、まったく別の変化が生じる可能性があるとの見解も出ています。それは、会社と労働者の関係が変わることです。

 もし高度専門職の人たちが、この制度によって名実ともに裁量労働制に移行した場合、会社との関係はかなりドライになると考えられます。場合によっては、よりよい条件が提示されれば、他社に移籍してもよいと考える人が増えてくるでしょう。

 彼等の給料は自由市場で決まってきますから、会社は優秀な人材の引き抜きを防ぐため、年収を上げざるを得ません。つまり年功序列の賃金体系が崩れる可能性が出てくるわけです。この制度の導入は社員間の格差を拡大する結果をもたらすかもしれません。https://thepage.jp/detail/20180531-00000009-wordleaf

 

《高プロ制度のメリット》

  • 労働生産性の向上

日本の企業の労働生産性の低さは常々指摘されてきており、行政を挙げて労働生産性を向上し、国際競争力を高めようという動きがあります。現状の国内企業の傾向として、残業をすれば成果に関係なく報酬が支払われるため、仕事が遅い人の方がより報酬が多いといった問題があります。しかし、高度プロフェッショナル制度においては、労働時間に報酬が左右されないため、効率よく短時間で成果をあげようとするモチベーションから、労働生産性の向上が期待できます。加えて、仕事が終わっていても退社することができない、といったような日本企業の悪い風習を断ち切る意味合いも含まれています。

  • ワークライフバランスの実現

企業人材の多様化の観点から、女性が働きやすい労働環境の整備に注目が集まっています。そんな中、高度プロフェッショナル制度においては、出社や退社の時間が自由に決められるため、育児や介護などと仕事の両立が可能となり、ワークライフバランスの実現が期待されます。ただし、柔軟な働き方が実現されるのは一部の理想的な場合に限るとも考えられ、以下のデメリットに挙げる残業の横行とも表裏一体であるのが実情です。

  • 無駄な残業代が不要

残業をすればするほど報酬が増える、という矛盾が解消され、企業にとっては人件費のコストカットを図ることができます。

高度プロフェッショナル制度は、活用法によっては、柔軟な働き方を実現して日本企業の生産性を向上させるきっかけとなりえます。

しかし現状では残業代の扱いをはじめとして、制度の運用に関して解決しなければいけない課題が山積みであることも事実です。

今後もその動きに注目しながら、来たる創設に向けて対応を考えていきましょう!

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