共同通信客員論説委員「中国と韓国は「処理水海洋放出反対」で日本を包囲する。孤立しているのは日本とアメリカ」
前述略
海洋放出問題については、韓国との共闘が特に注目される。
中国の国営新華社通信によると、中韓両国は日本の海洋放出決定の翌14日、局長級の「第1回海洋実務協議」を開き、海洋放出反対が両国の一致した立場であることを確認。さらに中国外務省は15日、両国が参加して汚染水を調査する国際チームの設置を呼びかけた。
韓国側の情報によると、局長級の海洋実務協議の開催については、1年以上前の中韓外相会談(2019年12月)で合意済みだった。中韓両国が日本政府の海洋放出決定を察知し、第1回協議を緊急開催したとみられる。今回の日米首脳会談をにらんで、中韓が協力態勢づくりを急いだ可能性もある。
孤立しているのは日本とアメリカ
海洋放出問題への中韓両国の対応をさらに詳しくふり返っておこう。中国外務省の趙立堅・副報道局長は4月14日、「海洋は日本のごみ箱ではなく、太平洋も日本の下水道ではない」と強い言葉で批判。麻生太郎財務相の「飲んでも何てことないそうだ」との発言には、翌15日に「飲めるというなら飲んでみてほしい」と皮肉った。
韓国の文在寅大統領も14日、海洋放出を差し止めるため、国際海洋法裁判所への提訴を検討するよう指示。韓国外務省は「放出反対の立場を中国側と確認した」と発表した。
中韓両国が海洋放出に反対するのは、海洋環境や公衆の健康への影響を無視できないとか、隣国の反対を顧みず一方的に決定したことへの反発、といった表向きの理由だけではない。
福島県の漁業者はもちろん海洋放出に反対で、全国漁業協同組合連合会(全漁連)も菅義偉首相にあらかじめ絶対反対を伝えている。日本の市民・環境団体も揃って反対を表明するなど、日本では反対論が勝る。
国際的には、同盟国のアメリカおよび国際原子力機関(IAEA)は「透明性のある決定」と日本支持を表明したものの、親日のはずの台湾が「海洋環境や国民の健康にかかわる問題」として懸念を表明したほか、北朝鮮の朝鮮中央通信(4月15日)は「日本の破廉恥さを示し、人類の健康と安全、生態環境を重大に脅かす許しがたい犯罪」と撤回を求めた。
国連のボイド特別報告者(人権・環境担当)も、処理水に含まれる放射性物質トリチウムについて「今後100年以上にわたり、人間や環境を危険にさらす可能性がある」として、日本政府に「海洋環境を保護する国際的な義務の順守」を要求した。
さらに太平洋の島嶼(しょ)国に、オーストラリアやニュージーランドを加えた14カ国・地域で構成する「太平洋諸島フォーラム(PIF)」も、独立した専門家が再検討するまで「放出延期」を求める声明を発表した。
全体を見てわかるのは、アメリカとIAEAを除いた多くの国・地域が懸念を表明している現状だ。中国の海洋進出問題、あるいは香港・台湾問題について多くの国が中国を批判・警戒しているのとは真逆の構図だ。いま孤立しているのは間違いなく日米で、中国と韓国という新たなタッグによる反撃が功を奏した形になっている。
中略
(文:岡田充)
岡田充(おかだ・たかし):共同通信客員論説委員。共同通信時代、香港、モスクワ、台北各支局長などを歴任。「21世紀中国総研」で「海峡両岸論」を連載中。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e51d453d196b4fa52b736f8aaec2c45a69ca060c?page=1
ゲスな匂いがプンプンするなぁ~
そうすれば、世界各国が公正に判断しやすくなる。
パヨの世界は狭いなw