【静岡県議会】自民、川勝知事の不信任案提出見送りの方針 辞職勧告決議案を提出へ
非常に残念なニュースが飛び込んできた。
「コシヒカリしかない」発言で、川勝平太静岡県知事の不信任決議案を提出する方針を取ってきた自民静岡県議会の自民改革会議だが、可決に必要な「出席者の4分の3以上の賛成」が困難なため、不信任決議案を見送り、辞職勧告決議案を提出する方向のようだ。
静岡県の川勝平太知事が10月の参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で御殿場市を「コシヒカリしかない」などと揶揄(やゆ)したような発言をめぐり、県議会最大会派の自民改革会議が、予定していた知事不信任決議案の提出を見送る方針を固めたことが23日、関係者への取材で分かった。24日の臨時議会提出へ多数派工作を進めていたが、可決に必要な「出席者の4分の3以上の賛成」のメドが立たなくなったためとみられる。代わって、自民だけでも可決できる辞職勧告決議案を提出する方向だが、法的拘束力はなくなる。
不信任決議は法的拘束力があり、成立すれば知事の失職か県議会の解散が発生する。現在67人の県議会の構成では全員出席の場合は51人の賛成が必要。40人を擁する自民は過去も含めた川勝氏の発言が「知事としての資質を欠く」として、御殿場市民から提出された知事辞職を求める請願の審議を理由に公明党県議団(5人)とともに招集請求した臨時議会の際、不信任案を提出するべく水面下も含めて動いていた。ただ、川勝氏を支える第2会派「ふじのくに県民クラブ」(17人)所属議員に造反させることが不可欠で、もともとハードルは高かった。
自民側の動きに対し、ふじのくには議員総会を複数回開き、一致して反対することを確認。加えて、無所属会派(共産党含め5人)に反対姿勢を鮮明にする議員がおり、可決は困難な情勢に傾いていた。
自民と協力関係にある公明は22日時点で「会派内はまとまっている」(蓮池章平団長)としつつ賛成表明には至っていなかった。知事選となる場合の自民側の準備や〝覚悟〟を見極めていたとみられる。
臨時議会で辞職勧告決議案が可決されたとしても、川勝氏が応じる可能性は低い。知事辞職請願も、過半数の賛成で採択される見通しだ。こちらも法的拘束力はない。
https://www.sankei.com/article/20211123-TYC2QYJUIBPCXDLRNBX5HTCJHA/
水面下でふじのくに県民クラブの県議にも接触を図っていたのだと思うが、やはり造反者を出すことが困難と考えたのだろう。しかし、意思表示として出して欲しかった。日和ったと思われても仕方がない。
川勝知事は「コシヒカリしかない」発言を最初は「誤解だ」と言い訳をして謝罪をしなかった(参考)が、県庁にも多数の苦情が寄せられ、やむなく謝罪した。客観的に見ても、言い訳が通じないから謝っとくしかないだろうという川勝知事の心情がうかがえる経緯だ。
ふじのくに県民クラブの佐野愛子会長は「仮に不信任決議案が可決されれば、莫大な選挙費用もかかり、今の時期に選挙を行うことを県民はのぞんでいない」と、不信任決議案を反対する理由を述べた。(参考)だが、それは勝手な言い分だ。いついかなる時でも知事が不信任に値すれば、不信任決議案を審議すべきだ。
川勝知事はこれまでも不適切発言をしては謝罪するを繰り返してきたが、今回の発言は謝罪して許されるレベルではない。