EUが原発をグリーン認定 低炭素社会への移行を促進する手段としての「役割がある」
EUが原発を天然ガスと共にグリーンな投資先として認定する方針を発表したと報じられた。
欧州連合(EU)欧州委員会は1日、原発を天然ガスと共にグリーンな投資先として認定する方針を発表した。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標に向け、低炭素社会への移行を促進する手段としての「役割がある」とした。
加盟国が原発推進派と脱原発派に二分する中、各国や欧州議会が反対する可能性もある。
欧州委は昨年4月、環境への影響に配慮しながら活動している企業への投資を促すグリーン投資の基準策定で合意したと発表。バイオ燃料などがグリーン投資に含まれたが、原発については決定を見送っていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8572f13b30155694dac2b4d3a594d98081f3ab17
そうせざるを得ないだろう。どう考えても再生可能エネルギーだけでは電力が賄えるはずがない。天然ガスもロシアに依存している状況で、欧州では液化天然ガス(LNG)が高騰している。脱炭素を目指すなかで安定した価格と供給の実現をするには原発の稼働は外すことはできないと判断したのだろう。
こういったエネルギー事情は日本も同じだ。日本テレビが、太陽光発電は気分屋で天候に左右されるため、火力発電で調整する必要があるが、発電の転換期ともなる今後数年は日本が電力逼迫に陥る可能性もあると報じた。
しかし、太陽光発電は天候によって発電量が大きく左右される。特に、曇りの日が多い冬には、発電量がゼロになる日も多く出てしまう。
電力は、需要にあわせ全体の供給量を調整して、バランスを取る必要がある。再生可能エネルギーの発電量にあわせて、火力発電の量を増やしたり減らしたりすることで、全体の供給量を調整することになる。
しかし、その“頼みの綱”の火力発電にも問題がある。日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一氏は、「再生可能エネルギーが増え、採算の取れない火力発電の休止や廃止が進んでいる」と指摘する。
再生可能エネルギーの発電量にあわせて、火力発電の稼働率を上げたり落としたりすると、発電の効率は悪くなり、採算が取れなくなってしまう。政府の補助制度に支えられた安価な再生可能エネルギーが市場に流れていることもあって、火力発電から手をひく事業者が増えている。経産省は火力発電について、2016年から2030年までの間に、およそ1853万KW(大型の発電所およそ18基分)供給量が落ちるとしている。転換期ともなる今後数年は、電力逼迫の危機に陥る可能性があるという。
こうした中、今冬の逼迫に備えて、政府は休止している火力発電所の再稼働を促すなどの対策を行っている。
例えば、老朽化により長期計画停止をしていた姉崎火力発電所5号機は、1月から2月に期間限定で運転を再開。修繕をしながら、再稼働に備える。
大手電力会社の関係者は、「古い発電所は発電効率も悪くなってしまうが、安定供給を守るためにも、何か起これば稼働せざるを得ない」と話す。
一方で、火力発電に対する欧州の目は厳しい。気候変動問題を話し合う国連の会議「COP26」では、化石燃料使用への批判はさらに強まった。こうした情勢をみて、火力発電所や、発電の燃料となる石炭・石油やLNG(=液化天然ガス)調達への投資は滞っている。
さらに、火力発電に使う燃料価格の高騰が追い打ちをかける。従来のガスより温室効果ガスの排出量が少ないLNGを、中国が「爆買い」。今年は、ヨーロッパではLNGが不足し、電力価格が暴騰している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d78153cb3b347408b6858636b4dd5e937eb69de1
再生可能エネルギー偏重や脱原発がどれだけ危険かがわかる。
脱炭素で火力発電が縮小していくのは避けられないかもしれないが、その分を何で賄うのか?日テレの記事にあるような気分屋の太陽光発電では冬の北国や梅雨時期を乗り越えられるわけがない。
EUが原発をグリーン認定したことで「やっぱりルールを変えた」など批判的な意見もあったが、そうせざるを得ないのだ。だったら日本も欧州の目など気にせずに日本独自の脱炭素を進めるべきだ。