中山義隆石垣市長、海上調査に対する中国の反発予想に「わが国固有の領土で、石垣市の行政区域だ。特に問題はない」
沖縄県石垣市の中山義隆市長は東海大の山田吉彦教授の研究チームとともに尖閣諸島周辺の海上視察を実行した後に記者会見を行った。
中山市長は中国からの反発が予想されることに対し「尖閣諸島はわが国固有の領土で、石垣市の行政区域だ。特に問題はない」ときっぱり述べた。また、中山市長は今後も尖閣への上陸申請を継続していく考えを述べた。
石垣市は海上保安庁に航行計画を提出し、政府とも事前に調整していたようだが、八重山日報は「事実上の黙認」と報じている。中山市長はしっかり手順を踏んで今回の調査を行っていた。
尖閣諸島を洋上視察した中山義隆市長は1日の記者会見で、予想される中国の反発に関し「尖閣諸島はわが国固有の領土で、石垣市の行政区域だ。特に問題はない」と述べた。調査中、領海侵入した中国海警局の艦船が調査船に接近し、妨害とも受け取れる動きを見せたが「私たちの船に直接危害を加えることはなく、海保の巡視船がしっかり航路を確保してくれた」と指摘。中国への直接的な非難は避け、冷静に言葉を選びながら、毅然とした姿勢をアピールした。
政府は中国との摩擦を警戒し、漁業者以外が漁船に乗って尖閣周辺海域に行くことを厳しく規制している。
一方、東海大の「望星丸」は、尖閣周辺海域に一般人を乗せて航行することが法的に認められている船舶。市は調査の実施に当たって海上保安庁に航行計画を提出し、政府とも事前に調整した。政府は事実上の黙認だったと見られる。
松野博一官房長官は1日の記者会見で、市の調査について「政府としてコメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。
市は出港時期を「望星丸」の航行可能なスケジュールから1月30日に定めた。中国が海警局の武器使用を許可した「海警法」施行から2月1日で1年になるため、そのタイミングで視察したとの憶測もあった。だが中山市長は「まったく意識していない。海警法が日本の領海内で適用されるとは思っていない」と否定した。
調査の実施は事前公表しなかった。中山市長は「尖閣周辺での調査となると、他国からいろいろな妨害や抗議があって、静かな環境で調査できない可能性がある」と説明した。
政府は市が申請した尖閣諸島への上陸を認めていないが、中山市長は今後も上陸申請を継続する考え。「（字名変更を表示する）標柱設置も必要。国には外交的な判断があると思うが、わが国固有の領土だ。自治体が行政手続きの一環としてやることは、ぜひ認めてほしい」と要望した。
調査に市議会から仲間均氏、我喜屋隆次氏が同行したことについて東海大の山田吉彦教授は「東海大からお願いした」と報告。仲間氏は尖閣周辺での漁業歴があり、我喜屋氏は漂着ごみ問題に関する相談に乗ってもらった経緯があったという。https://news.yahoo.co.jp/articles/392940982257a607b18e17a3af6bf03241ceee70
自民党内でも尖閣に上陸することを訴えている議員が多くいる。桜田義孝議員もその一人だ。桜田議員は「尖閣諸島への公務員常駐などは主権国家として当然検討をすべき議論でありましょう」とブログで訴えている（参考）
山田宏議員も、石垣市が尖閣諸島の行政標柱が完成したことを発表すると「政府は石垣市による上陸設置を許可し、北京オリンピックまでに終えるべき。」と石垣市を応援した。
本日、石垣市は尖閣諸島の行政標柱が完成したことを発表した。まさに実効支配の最低限の証。政府は石垣市による上陸設置を許可し、北京オリンピックまでに終えるべき。 https://t.co/Ykb4M4i5vo pic.twitter.com/XTsuKNUknw
— 山田宏 自民党参議院議員 (@yamazogaikuzo) August 23, 2021
他にも佐藤正久議員や青山繁晴議員など、保守系議員が尖閣での米軍との共同訓練や尖閣上陸を訴えている。なぜ安倍政権から岸田政権に至るまで上陸に踏み切れないのか？産経新聞は民主党政権が尖閣国有化の際に示した方針が足かせになっていると報じている。
旧民主党政権は平成２４年９月の尖閣国有化の際に「平穏かつ安定的な維持・管理」を目的に掲げた。この方針が、中国を刺激しかねないとして石垣市や環境省の上陸調査の実現を困難にしている。会合では「平穏な管理」の方針変更を求める声もあがった。
https://www.sankei.com/article/20200717-L6EV2JJA3RMMRKNZQ4IVOU7EN4/
この方針が足かせになっているのなら、記事にあるように方針変更の検討に当たるべきではないだろうか。一度示した方針を変更するにも中国の反発を招く恐れがあると思うが。
ただ不思議なのは石垣市がこれほど精力的に活動しているのに、玉城デニー知事が無反応なことだ。沖縄県は昨年９月に「中国との間で領土問題は存在しない」と述べていた。ならば沖縄県が石垣市とともに調査に同行して、国に対して行政標柱の上陸設置を求めるても問題はないと思うのだが、玉城知事はどう思っているのだろうか。