旭川中2凍死事件、ようやく「いじめ認定」に 遺族に報告される 今津市長「真相解明への第一歩」
北海道旭川市の中学2年生の広瀬爽彩さんが凍死状態で見つかった問題で、第三者委員会が「いじめとして取り上げる事実」があったと認定し、遺族側に報告した。
北海道旭川市でいじめを受けた疑いがある中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が昨年3月に凍死した状態で見つかった問題で、事実関係を調査してきた第三者委員会が27日、「いじめとして取り上げる事実」があったと認定し、遺族側に報告したことを明らかにした。認定したのは6項目としたが、詳細は近日中に公表するとしている。
生前の広瀬さんや遺族は「いじめ」被害を訴えてきたが、第三者委を設置した市教育委員会や学校は認めておらず、第三者委の判断が注目されていた。
遺族は「いじめがあったと訴え続け、認められるまで3年かかった。娘が生きている間であれば良かったと思う」と話した。
旭川市の今津市長は「このたびの報告によって本事案の真相解明への第一歩となったと考えており、非常に重く受け止めております。まずは、報告内容の詳細の把握に努めますと共に、ご遺族のお考えをお聞きしながら寄り添った対応を行って参りたいと存じます」と述べた。
<旭川市・今津寛介市長コメント>
「本市、女子中学生が亡くなられた事案について、今回、旭川市いじめ等防止等対策委員会の報告があり、いじめとして取り上げる事案があったとの調査結果が出されました。私としても以前から、いじめであるとの認識を示して参りましたが、このたびの報告によって本事案の真相解明への第一歩となったと考えており、非常に重く受け止めております。まずは、報告内容の詳細の把握に努めますと共に、ご遺族のお考えをお聞きしながら寄り添った対応を行って参りたいと存じます」
<旭川市教育長コメント>
「本市女子中学生が亡くなられた事案については、当時、いじめの認知には至らなかったところでありますが、今回、旭川市いじめ防止等対策委員会から、いじめとして取り上げる事実があったとの報告が御遺族側に伝えられたことについて、教育委員会として、大変厳粛に受け止めております。
現在、対策委員会において、学校と市教委の対応調査と課題検証など、残りの諮問事項に関する調査が進められているところでありますが、この度の結果を踏まえ、法に基づくいじめの積極的な認知やその後の対処が適切に行われるよう、各学校への指導の徹底を図ることなど、いじめ対策の強化に取り組み、教育行政への信頼回復に全力を尽くしてまいります」
いじめ認定に至る判断に影響があったかは定かではないが、今津市長は市長直属の調査組織を設ける方針だった。
旭川市内で昨年3月に凍死しているのが見つかった中学2年の広瀬爽彩(さあや)さん=当時(14)=がいじめを受けていた疑いがある問題で、旭川市の今津寛介市長が4月中にも直属の第三者委員会の設置を検討していることが24日分かった。当初は、市教委の第三者委が6月までに最終結論をまとめない場合に、市長直属の調査組織を設ける方針だったが、調査の遅れに批判が強まったため設置前倒しを視野に入れる。
昨年5月に調査を始めた市教委の第三者委は《1》いじめの有無《2》死亡に至った過程《3》学校と市教委の対応《4》再発防止策―の4項目を調査。いじめの有無については中間報告として3月中に遺族側に伝える方針だが、残る3項目を含む最終報告の時期は示されていない。
今津市長は今年1月、最終報告が6月までに行われない場合、市長直属の第三者委を設置する考えを表明。
だが、既存の第三者委の調査の遅れに対して、批判が高まっているほか、遺族側も不満を募らせているため、早期に市長直属の第三者委を設置する必要があるとし、既に具体的な人選を進めている。
ともかくやっといじめがあったことが認定された。あまりにも時間がかかりすぎていた。いじめ問題については学校や教育委員会に任せてはおけず、外部の専門家などの介入が必要であることの印象が強まった、今後のいじめ問題にどのように取り組むか各自治体は本件を自分の所で起こったことと受け止め、いじめ対応にあたっていただきたい。
今津市長が「真相解明への第一歩」と述べているように、今後の事実解明に期待すると同時に、いじめはないとしていた学校側への責任追及も徹底してお願いしたい。