東京都、新築住宅の太陽光パネル設置をメーカー対象に義務化へ 今秋以降に条例改正目指す
新年早々東京都が都内の新築一戸建て住宅の屋根に、太陽光発電設備の設置を義務付ける条例制定を目指していたことが話題になり、多くの批判があがっていたが、今秋以降に関係条例の改正を目指していることが報じられた。
東京都は、住宅メーカーなどを対象に、新築物件の屋根に太陽光パネルの設置を義務付ける新制度を創設する。
全ての住宅への一律設置を課すのではなく、事業者単位で目標を設定して達成を求める方針。住宅分野の脱炭素化が目的で、都の検討会で制度の導入時期など詳細を詰め、今秋以降に関係条例の改正を目指す。
設置を想定しているのは、延べ床面積が2000平方メートル未満の中小規模の住宅やビル。これまでは主に大規模建築物を対象に環境配慮を求めてきたが、着工棟数の大半を占める中小物件の対策を後押しする。総延べ床面積で年間2万平方メートル以上を供給するメーカーや不動産デベロッパーなどを義務付けの対象にする。
都の調査によると、都内住宅の約85%で屋根にパネルを設置して発電することができる。都は日照条件などの地域差をさらに考慮した上で、各メーカーなどが供給する棟数に応じて設置すべき目標を定める。各棟の合計で目標を達成すればよい仕組みにする。
新制度ではこのほか、断熱など一定の省エネ性能確保も義務付ける方針。都内の二酸化炭素排出量のうち、住宅を含む家庭部門からの割合は約3割を占めており、都は太陽光発電機能と省エネ性能を兼ね備えた住宅を普及させることで排出量の削減につなげたい考えだ。
ネット上では「ウイグル人の強制労働で作られる太陽光パネル」と多くの人が指摘していて、台風などの災害に弱いことや日照問題や東京には狭小地域が多いことも指摘されている。確かにその通りだ。
他にも設置費用やメンテナンスや撤去費用に補助金があるのだろうか。数年後のにあふれるゴミの問題をどうするのか。考えるべきことは多くある。
政府は2021年8月、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の達成を目指して、新築一戸建て住宅への太陽光発電設備義務付けについて検討することを表明したが、国土交通省や環境省などが開催した有識者会議では、「消費者の追加の費用負担感が大きい」などの意見も見られ、政府は太陽光発電設備の設置の義務化は選択肢の一つとするにとどまっている。
設置の義務化も検討されたが、一部委員から「地域や日当たりで発電量が異なり、不公平だ」「(住宅価格が上昇して)家を買えない人が出る」といった反対論が相次いだ。そのため、義務化は「選択肢の一つ」と位置付け、将来の検討課題とした。
義務化するにはクリアすべき課題が山積みだから政府も「選択肢の一つ」と位置付けた。では、東京都はその課題をクリアできるというのだろうか?とてもそうとは思えない。
政府が足踏みしている件を、東京都が「先陣を切った」と手柄にしたいだけなら都民にとって迷惑以外の何物でもない。