岸田総理が韓国代表団と面会、関係改善には「懸案の解決が必要だ」とクギを刺す 政府関係者「言葉だけでなく行動が必要」
岸田総理が韓国次期大統領の代表団と面会した。代表団は日韓関係の改善について期待をもって総理と面会したが、岸田総理は日韓関係の改善に前向きな姿勢を見せたものの、「そのためには懸案の解決が必要だ」とクギを刺した。
多くのマスコミが「関係改善に意欲示す」と関係改善について前向きなことだけを強調して報じていただけにひとまず安心した。韓国側の意欲的な態度のみで関係改善の話が進まないことが確認できて良かった。
岸田文雄首相は26日、自民党内の慎重論を押し切り、尹錫悦次期韓国大統領の「政策協議代表団」と面会した。
「戦後最悪」とされる日韓関係好転への期待感からだが、近年の韓国大統領が国内世論に押され反日色を強めた経緯から、警戒感は拭えない。5月の大統領就任式に首相自ら出席するかどうかが次の焦点となる。
「尹当選者からの親書です」。会談は代表団が冒頭で首相に親書を手渡し、和やかな雰囲気で始まった。首相は「日韓関係の改善は待ったなしだ」と新政権に期待を表明。一方で「そのためには懸案の解決が必要だ」とクギを刺すのも忘れなかった。
日韓関係は韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた2018年の元徴用工判決以降、悪化の一途をたどった。文在寅政権は日本が受け入れ可能な解決策を示さないばかりか、15年の日韓慰安婦合意に基づく財団を一方的に解散。韓国駆逐艦が自衛隊機に火器管制レーダーを照射する事案も発生した。
対面の日韓首脳会談は19年12月以来行われておらず、姜昌一駐日韓国大使の着任後の首相面会も実現していない。代表団来日に際しても、自民党内では「会ってもせいぜい外相クラス」(佐藤正久外交部会長)と首相との面会には慎重な声が強かった。近年は保守の李明博、朴槿恵両氏が大統領就任後に反日色を強めた経緯があり、尹氏に期待しても最後は煮え湯を飲まされかねないとの警戒感があるためだ。
首相が面会を決断したのは25日夜。林芳正外相らによる会談を通じて尹氏サイドの「日韓関係改善への意欲」(同)を見極めた後だった。5月下旬にはバイデン米大統領による韓国、日本歴訪が想定されており、関係改善を求める米国への配慮もあったとみられる。
もっとも、政府関係者は元徴用工問題など諸懸案解決へ「言葉だけでなく行動が必要」と強調。韓国側の「譲歩」がなければ関係改善の流れはすぐに壁にぶち当たると指摘する。
首相としては5月10日の大統領就任式に出席するかが当面の焦点だ。近年は当時の福田康夫首相が李氏、麻生太郎副総理が朴氏の就任式に出席した。
26日の面会では双方とも就任式に言及しなかったとされるが、尹氏側には首相出席を期待する声がある。自民党から反対論が出る中、政府関係者は「出席は難しいのではないか」と指摘。首相周辺は「即断はできない。検討のプロセスがこれから始まる」と語った。
今の状態で岸田総理が代表団と面会するのには抵抗があったが、総理の口から直接くぎを刺したのであればそれはそれでよかったのかもしれない。
「政府関係者は元徴用工問題など諸懸案解決へ「言葉だけでなく行動が必要」と強調。韓国側の「譲歩」がなければ関係改善の流れはすぐに壁にぶち当たると指摘」とあるが、岸田総理もそのことは十分理解しているから今ある懸案の解決が先だと述べたのだろう。それなくして関係解決はあり得ないというこれまでと一貫した態度を示した。
本来なら林外相の時にもクギを刺して、岸田総理でダメ押しして欲しかった。