小野寺元防衛相、英国と共同開発する方向で調整している次期戦闘機について「共同開発国以外のところに出す場合は、少し国内では議論を整理しなければいけない」
航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機を巡り、防衛省は英国と共同開発する方向で調整しているのだが、共同開発相手国が第3国に輸出する場合、日本の担当する部品も第3国へ出ていくことを考え、自民党の小野寺五典安全保障調査会長は「国内では議論を整理しなければいけない」と述べた。
自民党の安全保障調査会長を務める小野寺五典元防衛相はロイターとのインタビューで、武器の輸出規制について、英国と共同開発する方向で調整している次期戦闘機を念頭に見直しを議論していることを明らかにした。
複数の関係者によると、航空自衛隊F2戦闘機の後継機開発を進める日本は、同じタイミングで次期戦闘機開発に取り組む英国と計画を統合することを協議。イタリアも加わる見通しで、来月にも合意する。
開発参加国が技術をそれぞれ持ち寄ることから、英国やイタリアが輸出を決めた場合、日本が担当する部分も第3国へ出ていくことになる。
小野寺氏は「作る部品はパートパートでみんなシェアすることになる。日本がシェアした部分を外したら飛行機が飛ばない」と説明。共同開発国が第3国に輸出を決めても「日本は反対もできないし、日本の部品を外せとも言えないので、そういう時はどうしたらいいのか、少し議論をしている」と語った。
日本は2014年、防衛装備移転三原則を導入して武器の禁輸方針を緩和した。しかし、輸出できる装備品を運用指針で救難・輸送・警戒・監視・掃海に限定しており、戦闘機や戦車など殺傷能力のあるものの移転は想定していない。また、装備移転協定を個別に結んでいない国へも輸出ができない。
小野寺氏は「今後、共同開発国以外のところに出す場合は、少し国内では議論を整理しなければいけない」と述べた。
政府は年末までに「国家安全保障戦略」など防衛3文書を改定する予定で、武器輸出の見直しも俎上に上っている。与党の自民・公明両党は装備移転の運用指針を見直すことで一致しているが、詳細は今後の議論で詰める。
政府は「防衛装備移転三原則」の基準を緩和し、国際法違反の侵略を受けた国に自衛隊の装備を円滑に提供できるようにする方針を固めた。
政府は武器や関連技術の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の基準を緩和し、国際法違反の侵略を受けた国に自衛隊の装備を円滑に提供できるようにする方針を固めた。国会承認や国会への報告などを条件とした上で、殺傷能力のある装備の供与も検討する。年内に改定予定の外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書にこうした方針を明記し、2023年前半にも三原則と運用指針を改定したい考えだ。
14年に閣議決定された現行の三原則は、国連安全保障理事会決議に違反する輸出や紛争当事国への武器輸出を禁じつつ、「我が国の安全保障に資する場合」などの条件に合致すれば輸出を認めている。一方、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援では、防弾チョッキなどを供与するため運用指針を急きょ変更した経緯があり、迅速に供与できるように事前にルールを明確化しておくべきだという意見が与党から出ていた。
松丸誠前足立区議会議員は次のようにツイート
武器の輸出規制、次期戦闘機開発で見直しを議論。https://t.co/HNsxu0bnjF
武器生産は必要。「軍事産業=戦争」と言う馬鹿者がいるが、まるっきり違う。軍事備品受給率を海外に頼れば供給を断たれたとき身動きできなくなる。国税収も増え、輸出国への主導権も持てる。何より国民の命と生活が一番だ。— 松丸誠 前足立区議会議員 (@seiryukai) November 25, 2022
だが、一方で反対派の反発も大きくなりそうだ。