【熱海土石流災害】県議会「検証は十分とはいえない。再検証が行われるべき」⇒川勝知事「やるべきことはやった」と再検証しない考えを示す
熱海市の土石流災害を巡り、県議会は「検証は十分とはいえない。再検証が行われるべき」と提言したが、川勝知事は「やるべきことはやった」と再検証しない考えを示した。
静岡県熱海市で起きた土石流災害をめぐり、盛り土に県がどう対応してきたかなど行政対応を検証する作業について、川勝知事は「やるべきことはやった」と再検証しないことを明言しました。
土石流災害に関する行政対応の検証は県の第三者委員会が行い、すでに最終報告が示されています。
しかし、県議会の特別委員会は「十分に精査されているとは言えない」と指摘した上で、「公正中立な立場から再検証が行われるべき」と提言していました。
知事は対応についてこれまで明言していませんでしたが、28日の会見で「再検証はしない考え」を明らかにしました。
川勝 平太 知事 「(遺族の県に対する)訴訟でも論点になると思いますが、そういう場に委ねていいと思っております。やるべきことはやったからということ」
県議会からの提言があったものの知事は「これまでの対応で十分」と話し、再検証はしない考えを示しました。
しかし、川勝知事は「やるべきことはやった」という。さらに「訴訟でも論点になると思いますが、そういう場に委ねていいと思っております」とも述べているが、開き直っているように映る。
特別委員会は「森林法や砂防法などの県が所管する法令でできるかぎりの対応をしていたのかという観点からの検証は十分とはいえず、改めて再検証が行われるべきだ」と提言。
報告書では第三者委員会が行った行政対応の検証結果について、「県の土採取等規制条例が適切に運用されていれば土石流は発生しなかったのではないかという点に観点を絞った内容だった」としています。
その上で、「森林法や砂防法などの県が所管する法令でできるかぎりの対応をしていたのかという観点からの検証は十分とはいえず、改めて再検証が行われるべきだ」と提言しています。
1月24日の定例会見で川勝知事は、記者の質問に次のように応えていた。
Q.新しい条例がなくても、そこが砂防指定地で、砂防指定地管理条例違反というのが明確に分かっている状況が続いていて、それに基づいて罰則が厳しくなくても命令や代執行などができたと思うんですが?
A.「確かにその通りなんですが、ここは盛り土した方の所有地なんですね。ですから、厳しい対応を所有者がなさって、『自分の土地だから何を文句を言うか』と、そういうタイプだったと私は報告を受けました。やるべきことをやっているんですけれども、やっぱり厳しい法令とか条例とか、ちゃんと根拠がなければ強く出られません」
責任逃れをしたくて仕方ないようだ。
議会が「再検証が行われるべき」と提言しても、川勝知事は「やるべきことはやった」としているが、本心は「もうこれ以上つつかないでくれ」と言いたいのではないだろうか。