中国で改正「反スパイ法」施行。恣意的運用拡大の懸念も。米NCSC「通常のビジネス活動が中国当局から罰則を受ける可能性がある」と警告⇒ビジネスマン「何に気を付けていいか分からない」
中国で1日、スパイ行為の取り締まりを徹底するため改正した「反スパイ法」が施行されたことを受け、「不透明な邦人拘束に懸念深まる」と報じられた。
反スパイ法の改正前から日本人など外国人の不当な拘束は続いていて、法改正でさらに恣意的運用が拡大されるのではないかと懸念されている。
中国で7月1日、スパイ行為の取り締まりを徹底するため初めて改正した「反スパイ法」が施行された。習近平指導部は米中対立を背景に「国家安全を守る」ことを重視。外国人への締め付けが強まり、外国企業の活動や国際交流が影響を受けるのは必至だ。これまでにも同法などに基づく邦人の不透明な拘束が相次いでおり、中国の日本人社会には不安が広がっている。
中国政府は経済対策として、海外からの投資を歓迎すると強調している。一方で国家安全部門の権限が強まっているとみられ、外国企業などは同法の恣意的な運用への懸念を強めている。
改正によりスパイ行為の定義が拡大された。「国家機密」に加え「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料、物品」の提供や窃取なども違法行為となった。刑事責任を追及するほか、「犯罪を構成しない」場合でも、当局が判断すれば行政罰での拘束が可能となった。
3月には北京でアステラス製薬の日本人男性幹部が改正前の同法違反容疑で拘束された。具体的な容疑内容は不明。
人権問題や新型コロナを機に中国から撤退した日系企業もあるが、それでもまだ多くの企業が中国に進出している。今回の改正反スパイ法について織り込み済みなら構わないだろうが、そうでないなら撤退した方が賢明だろう。
米国家防諜安全保障センター(NCSC)は、中国で活動する米国や他の外国企業による通常のビジネス活動が中国当局から罰則を受ける可能性があると警告した。
NCSCは、改正反スパイ法は「米企業が中国で保有するデータにアクセスし管理する法的根拠を拡大する」と指摘。さらに、中国は国外へのデータ流出を国家安全保障上のリスクとみなしており、外国企業が現地で採用する中国人社員に対し中国の情報収集活動を支援するよう強制する可能性があるとした。
また、改正反スパイ法で示されている定義が「曖昧」で、「あらゆる文書やデータ、資料、物」が中国の国家安全保障に関連するとみなされる可能性があり、ジャーナリストや学者、研究者も危険にさらされると警告した。
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それと、日本も「スパイ防止法を制定すべき」とは強く訴えたい。