岸田総理「『サラリーマン増税』うんぬんといった報道があるが、全く自分は考えていない」党税調会長「私の頭の隅っこにもない」
退職金の増税や通勤手当への課税が検討されているとして、「サラリーマン増税」などとの指摘を受けていたが、岸田文雄総理と宮沢洋一自民党税制調査会長は「全く自分は考えていない」「私の頭の隅っこにもない」とそれぞれ否定した。
岸田文雄首相は25日、自民党の宮沢洋一税制調査会長と官邸で面会し、政府税調(首相の諮問機関)が中長期的な視点に立って税のあり方などをまとめた「中期答申」を巡り、「『サラリーマン増税』うんぬんといった報道があるが、全く自分は考えていない」と述べた。宮沢氏が面会後、記者団に明らかにした。
宮沢氏によると、首相から党税調の考えを聞かれ、宮沢氏は「党税調でそういう議論をしたことは一度もないし、党税調会長の私の頭の隅っこにもない」と伝えた。首相は「よかった」と応じたという。
宮沢氏は記者団に「政府税調はものを決める機関ではない」と指摘した。中期答申については「今の政府税調のメンバーの最後ということで、『卒業論文』みたいなもの。正直言って制度の紹介がほとんど。一部のマスコミが面白おかしく報道している」とも語った。
政府税調は6月30日、中期答申を首相に提出した。中期答申に関し、退職金の増税や通勤手当への課税が検討されているとして、「サラリーマン増税」などとの指摘が出ていた。
問題の発端は政府税制調査会が提出した『わが国税制の現状と課題 令和時代の構造変化と税制あり方』に「検討する必要が生じてきています」と記されていることをマスコミは「税調の「検討する必要」は「やる」という意味だ。そして「やる」ことは税収を増やすこと、つまり増税だ」と曲解し騒ぎ立てたてたことで国民が扇動された。これについて東洋経済ONLINEは「答申で「検討する必要」と記されれば、すべて「増税」を意味するのか。決してそうではない。政府税調の提起=増税という見方は、曲解にすぎる。それは、本文の記述を丁寧に追って素直に解するとわかる」と指摘した。
ネットの反応
力関係からいって党税調が圧倒的なのでサラリーマン増税は「今は」検討してないというのは本当だろう。政府税調は長期的なものか、あるいは財務省の観測気球という意味なのでいずれにせよ要注意が続く。また世論が増税をけん制することが重要で、それは確実に岸田総理の姿勢にも影響を与えていると思う…
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) July 25, 2023