熊本市、市民の定義に「外国籍を有する者を含む」と明記することを検討も、反対意見が多く断念
朝日新聞は25日「熊本市は25日、市民の定義に「外国籍を有する者を含む」と明記することを検討していた自治基本条例の改正案について、この記載を削除する考えを明らかにした。」と報じた。パブリックコメントを実施したところ反対意見が多かったことから判断したという。
熊本市は25日、市民の定義に「外国籍を有する者を含む」と明記することを検討していた自治基本条例の改正案について、この記載を削除する方針を明らかにした。「外国人参政権を認めることになる」との誤解に基づく反対意見が多かったことを踏まえ、「不安を与えるような文言を追加するべきではない」と判断したという。
自治基本条例は市民や市議会、行政の定義や責務を定めたもの。現在の条例は、市民について「住民」「本市に通勤、通学する者」などと書かれている。有識者らでつくる自治推進委員会は昨年10月、今後増加が見込まれる外国籍住民にも市民としての意識を持ってもらうために明示するよう答申し、市は同12月、答申を盛り込んだ素案を公表した。
だが、「外国籍の人に参政権を認めるもの」との誤解がSNSを通じて拡散。今年1月にかけて実施されたパブリックコメントには1888件(うち市外からが1300件)の意見が寄せられ、多くが素案には書かれていない参政権に関する懸念だった。これを受けて、大西一史市長は「外国人の方々に対する反感が強くなっても本末転倒」とし、2月議会への改正案提出を見送っていた。
市民の定義に「外国籍を有する者を含む」と明記しようとしていたことに多くの反対意見が上がったようだが、パブリックコメントの意見を反映させたことは評価できる。
記事には「誤解に基づく反対意見」としているが、あながち誤解とも言えないだろう。市民の定義に「外国籍を有する者を含む」を入れれば、次は「参政権も」と発展するのは容易に想像がつく。そうならないようにと反対意見を寄せた熊本市民の英断だろう。
ネットの反応
「外国籍も市民」盛り込む条例案断念 熊本市、「参政権」誤解多く(朝日新聞デジタル)#Yahooニュースhttps://t.co/9w50MkUhkS
今は誤解と言うかもしれないが、成立したら地方参政権へのアリの一穴になる可能性があるから批判される。この手の条例に関しては、全国どこの自治体も信用出来ない。— 早見雄二郎(株式評論家) (@hayamiy) July 25, 2023