【果たして中国が従うか?】WTO「日本製ステンレス製品への中国の反ダンピング関税は違反」日本が勝訴
朗報だ!
WTOは、中国が日本製ステンレス製品に賦課している反ダンピング関税について、WTO協定違反だとする報告書を採択した。これにより日本の勝訴が確定した。
世界貿易機関(WTO)は28日、中国が日本製ステンレス製品に反ダンピング(不当廉売)関税を課しているのはWTO協定違反だとする報告書を採択した。日本政府が発表した。日本の勝訴が確定。中国はWTO規定に沿い是正措置の義務を負う。
採択後、日本の外務省は、中国側に「速やかに是正することを求める」との声明を出した。中国は1カ月以内に開かれるWTOの紛争処理機関(DSB)で是正の意思を示さなければならない。
中国は、日本などから輸入されるステンレス製品が不当に安く販売され国内産業に損害を与えたとして、2019年7月から、日本などからのステンレス製品に追加課税を実施している。
ただ、問題は中国がこれに従うかどうかだ。中国は南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判所の判決(南シナ海判決)を無視し、「フィリピン共和国の一方的な申し立てにより設けられた南海仲裁裁判所(仲裁裁判所)が2016年7月12日に出した裁決に関し、中華人民共和国外交部は、その裁決が無効であり、拘束力を持たず、中国は受け入れず、認めないことを厳粛に声明する」と声明を出した。(参考)
WTOの拘束力については、かねてから指摘されていて、2021年、オーストラリアのモリソン首相(当時)は「WTOは拘束力のある紛争解決制度を設けるべき」と主張していた。(参考)
記事には「中国は1カ月以内に開かれるWTOの紛争処理機関(DSB)で是正の意思を示さなければならない」とあるが、中国が従わない可能性は十分ある。
それならそれで中国のTPP加入が一切認められないばかりか、国際社会での中国の孤立化が進むだけだ。