NPT準備委員会で日本と中国が応酬⇒中国「核汚染水」呼称に、日本「放出するのは汚染水ではなく処理水だ」
オーストリアのウィーンで開催されている2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会で、福島第一原発の処理水海洋放出を巡り、日本と中国の応酬があった。
中国側は処理水を「核汚染水」と呼んだのに対し、日本側は「放出するのは汚染水ではなく処理水だ」と強調したようだ。
オーストリアの首都ウィーンで開催されている2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会で7月31日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画を巡り、日本と中国が応酬する場面があった。中国側は処理水を「核汚染水」と呼んだのに対し、日本側は放出するのは汚染水ではなく処理水だと強調した。
中国は、日本が国際社会の懸念に対応し「核汚染水の海洋放出計画の強行」をやめるべきだなどと主張。周辺国と「誠実な態度」で話をすべきだと訴えた。国際原子力機関(IAEA)は放出計画が「国際基準に合致する」との報告書をまとめているが、中国側は「報告書は海洋放出計画が安全とは保証できない」などとした。
在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使は、IAEAの報告書は海洋放出計画に伴う人や環境への影響は無視できる水準だと結論付けていると指摘。「不当で科学的に事実無根の疑いを投げかけることは危険だ」と反論した。
1対1ではなく、複数の国が参加している場でしっかりと主張することは良いことだ。しかし、本当は「中国の濃度よりも低い」と主張したかったと思うが、それを言うと中国以外の国に角が立つ恐れがあるので、そこまで言えないもどかしさがあっただろう。日本ができることといったら、中国のデマに対して、科学的に正しい事を主張し続けること。また、IAEAのグロッシ事務局長が「処理水の最後の一滴を安全に放出し終えるまでは福島に居続ける」と、今後も放出の監視活動に関与すると宣言したことを広めなければいけない。
中国のデマは許せないが、今回はしっかり反論できたのでいい機会だったと思う。今後も国際会議など、複数の国が集まる場で日本の処理水の安全性をアピールができることを願う。