中国、東シナ海で軍事演習を予告 台湾総統選の牽制か
中国が東シナ海で軍事演習を予告した。
来年の台湾総統選で与党民進党から出馬を予定している頼清徳副総統は、外遊で米国に立ち寄る予定で、その牽制とのことのようだ。
習近平国家主席率いる中国が再び、台湾に対する軍事的圧迫を強めようとしている。中国の浙江海事局が11日、浙江省沖の東シナ海で12~14日に軍事演習をするため航行禁止区域を設定したと発表したのだ。12日は、来年の台湾総統選で与党民進党から出馬を予定している頼清徳副総統が外遊に出発。頼氏は南米訪問の経由地として米国に立ち寄る予定で、中国の動きはその牽制(けんせい)とみられる。識者からは、総統選に向けた「民進党潰しでは」との見方が出ている。
頼氏は、南米で唯一台湾との外交関係を持つパラグアイで15日に行われる大統領就任式に出席する。その行き帰りに米国を訪れ、往路はニューヨーク、復路はサンフランシスコを予定している。
頼氏の外遊日程に合わせたような中国の航行禁止区域設定は、浙江省舟山市から約100キロの周辺海域で行われた。中国の動きに対し、台湾紙「自由時報」は「中国が軍事演習を発表して台湾を恫喝(どうかつ)した」と反発した。
中国は米台接近に神経をとがらせてきた。
昨年8月のナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の訪台時には、台湾を取り囲むように大規模な軍事演習を行った。今年4月に台湾の蔡英文総統が米ロサンゼルスで、ケビン・マッカーシー下院議長と会談した際にも、大規模な軍事演習実施に踏み切った。
今回の中国の軍事演習予告をどうみるべきか。
中国事情に精通する評論家の宮崎正弘氏は「来年1月に迫る台湾総統選へ影響を与えることを意図した威嚇だろう。中国は4月に訪米した台湾民衆党のトップ、柯文哲(か・ぶんてつ)前台北市長ら野党主要候補の日米訪問へは反発せず、完全に民進党のみを標的にしている。『中国を刺激するな』という台湾世論をかき立てる狙いがあるのではないか」と指摘する。
台湾の脅威は日本にとっても人ごとではない。ペロシ氏訪台時の大規模軍事演習の際、中国は日本の排他的経済水域(EEZ)にも弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。
自民党の麻生太郎副総裁は今月8日、台湾での講演で、「台湾有事」を念頭に「日本、台湾、米国をはじめとした有志国には『戦う覚悟』が求められている」として、有事抑止への強い決意を示した。日本はどうすべきか。
宮崎氏は「麻生氏の発言に中国は猛反発したが、日本が一歩踏み込んで台湾を守る姿勢を見せたことは意義があった。日本は引き続き、中国の軍事演習に対しても毅然(きぜん)とした言葉で非難すべきだ」と話した。
ネットの反応
別に、訪米したからとか言うことではなく、彼がポイントを稼いだことに「いらだち」があるのである。
威嚇すればするだけ、西側諸国の結束が高まる。
そんな威嚇をして何になる。