中露政府、処理水の大気放出検討要求⇒日本政府「要求の受け入れは不可能」⇒東大教授「海洋放出のほうが環境への影響はより小さい」
中国とロシア両政府が、福島第一原発の処理水放出を巡り、大気への水蒸気放出を検討するよう日本政府に求めていたようだ。
これに対し、日本政府は要求の「受け入れは不可能」と突っぱね、海洋放出に踏み切る見通しという。
中国、ロシア両政府が東京電力福島第1原発の処理水を巡り、大気への水蒸気放出を検討するよう7月に日本政府に直接求めたことが20日分かった。複数の外交筋が明らかにした。日本に海洋放出計画を先送りさせ断念に追い込むことを目指し、共同歩調を取ったとみられる。日本政府は中ロに反論していく方針だ。
中ロが7月下旬、日本政府に20項目の質問リストを共同で提出し、水蒸気放出は海洋放出より「周辺諸国への影響が少ない」と主張した。国際原子力機関(IAEA)にも同様の文書を送った。日本政府関係者は要求の「受け入れは不可能」と話した。近く海洋放出に踏み切る見通しだ。
水蒸気放出は放射性物質トリチウムを含む処理水を蒸発させ大気中に排出する方法。日本政府内で一時検討されたが、大気中の放射性物質のモニタリングが海洋よりも難しいなどとして見送られた。
中ロは質問リストで、大気中の放射性物質のモニタリング手法は技術的に確立されていると指摘して日本政府の見方を否定した。
本当は無視すればいいが、そうもいかないので、日本政府は日本の正当性と処理水の安全性を世界に訴える形で中露に反論するしかない。
原子力工学の専門家で東京大学・岡本孝司教授は中露の主張に対して「中国とロシアが、トリチウムを含んだALPS処理水の環境放出を認めました」とコメントしたうえで、大気放出よりも海洋放出の方が安全だと指摘。
大気放出でも海洋放出でも、環境に放出することに変わりはありません。大気も世界中に繋がっています。
海洋放出でも、大気放出でも拡散のためにすぐ薄まります。海水の量のほうが、大気中に存在する水蒸気全体の量よりも、桁違いに大きいので、海洋放出のほうが環境への影響はより小さくなりますね。
中国ロシアからの話は、単純な言いがかりです。中国の原子力発電所からは、海洋放出も大気放出もどちらも実施しています。中国も全部大気放出に切り替えるのですかね?
なお、60年前の中国などによる大量の核実験により、大気中には極めて大量のトリチウムなどの放射性物質がばらまかれました。当時は、200Bq/Lと、ALPS処理水と同じ程度のトリチウム濃度を持った雨が東京には降っていました。中国の雨は風上なのでもっと濃かったかもしれません。
ネットの反応
中国は日本に対し「本当に安全ならなぜ飲用水やかんがい水に使わないのか」ということだったが、中国原発は安全といいながらもIAEAの査察を受け入れたとは、聞いたことがない。
査察を受け入れず安全というなら、中国こそが「飲料水やかんがい水」に使い国際的に証明されては如何か。
国連常任理事国なら、それに相応しい何処の国も認める国になれないのか。