連合・芳野会長「共産との連携が明らかになれば推薦できない判断になる」
連合の芳野友子会長は15日、BSテレ東番組で、次期衆院選の立憲民主党の候補者に関し、「共産との連携が明らかになれば推薦できない判断になる」と、共産党と協力した場合は連合として推薦しない考えを示した。(参考)
連合は2022年の参院選においても共産党と「野党共闘」する候補者を推薦しない考えを基本方針に盛り込んでいた。
芳野会長の発言は、共産党との共闘はありえないという従来の方針を一貫していて、次期衆院選における立憲民主党と共産党との共闘をけん制したのだろう。
しかし、一方の立憲民主党は連合の支援は欲しいが、共産党などとの共闘も必要という姿勢だ。国民民主党は共産党との共闘はありえないという連合の方針に足並みを揃えたので、連合も国民民主党一本にすればいいのにと思うが、やはりまだまだ規模が小さい政党一本に絞るよりは、野党一党の後援であり続けたいのだろうか。
ネット上では芳野会長の発言を「自民党を利するだけ」と非難する意見も多くあるようだが、連合が出来た経緯を知れば理解できるはず。
Q なぜ、共産との協力に否定的なのですか。
A 1989年の連合発足時、共産系の労組が路線の違いで合流せずに「全国労働組合総連合(全労連)」を結成し、対立した経緯が背景にあります。連合傘下の産別も、公務員中心で旧社会党を支えた日本労働組合総評議会(総評)系や、民間企業主体で旧民社党を支持した全日本労働総同盟(同盟)系など政治的な考えに違いがあります。
そもそも考え方が違うということで連合は共産系を否定して、国民民主党も「非共産」の態度を明らかにした。これは評価できる。共闘するなら重要政策のすり合わせは必要だ。立憲民主党はそれを無視して共産党との共闘を進めようとしているから「立憲共産党」などと揶揄されるし。連合から厳しいけん制を受けるのではないだろうか。