政府が検討する有事に備える拠点整備。沖縄県は「受け入れられない」も、与那国町「千載一遇のチャンス」石垣市「受け入れる」
政府が台湾有事念頭に沖縄の12の空港と港湾の整備・拡充を進め、自衛隊や海上保安庁の艦船や航空機が使用できる拠点として指定し、整備・拡充する方向で検討していることについて、沖縄県は、現状受け入れられないとする考え方をまとめ政府側に伝えた。
一方で、石垣市、与那国町は「千載一遇のチャンス」(与那国町の糸数健一町長)などと指定を歓迎。県と市町との間で「ねじれ」が生じていると八重山日報が報じた。
台湾有事をにらみ、自衛隊や海上保安庁が円滑に利用できるよう政府が重点的に整備を進める「特定重要拠点空港・港湾」の指定候補に、八重山から新石垣空港、与那国空港、波照間空港などが選ばれた。従来から空港・港湾の機能拡充を求めていた石垣市、与那国町は「千載一遇のチャンス」(与那国町の糸数健一町長)などと指定を歓迎。一方、県は自衛隊などの利用計画が不明確だとして「現時点では指定に同意できない」との考えを政府に伝えた。特定重要拠点の指定を巡り、県と市町との間で「ねじれ」が生じた形だ。
糸数町長は7日、県庁に池田竹州副知事を訪ね、与那国空港の滑走路延長や島内での新港整備などを要請。特定重要拠点の指定には積極的に応じる考えを示し、池田副知事に「(県も)議論のテーブルについて検討してほしい」と協力を求めた。
(出典 与那国町)石垣市も県に対し、観光振興を目的に2018年から新石垣空港の滑走路延長を要請してきた。台湾有事の懸念が新たな課題になってからは、住民や観光客のスムーズな避難のため空港の機能を強化する目的も加わった。
中山義隆市長は八重山日報の取材に対し、政府が新空港を特定重要拠点に指定した場合について「受け入れる」と明言した。市議会も県に対し、滑走路延長に協力するよう求める意見書を急きょ、12月定例会中に可決した。
(出典 石垣市)
県の姿勢に与那国町の糸数健一町長は、いらだちをあらわに。
県議会で玉城デニー知事を支持する革新系の与党からは、指定によって空港や港湾の軍事利用が加速し、有事には攻撃対象になると危ぐする声がある。
糸数町長は「県は、何でもかんでも軍事利用や自衛隊の増強に結びつける。島に住むわれわれが、豊かに暮らせる施策を講じてほしい」といら立ちをあらわにする。ただ「国も県の頭越しにはできないだろう」と指摘。県の理解を得るため、政府が丁寧な説明を尽くすよう求めた。
糸数町長の「県は、何でもかんでも軍事利用や自衛隊の増強に結びつける」はその通り。記事には「石垣市や与那国町が指定受け入れに前向きなのは、中国が台湾に侵攻した場合、市民、町民や観光客が直接的な危険にさらされる可能性が高いためだ」とあり、八重山の首長らは緊急時の住民の避難(安全)を最優先したい考えだ。凝り固まったイデオロギーで住民の安全確保を邪魔するなど知事失格だ。
玉城知事は、辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論にて「県民が示す明確な民意こそ公益とされなければならない」と述べていた。だとしたら、八重山住民の示す民意こそ公益とされなければならないのではないだろうか。そして市町長らの意見こそが地元住民の民意であるはずだ。
糸数町長は池田竹州副知事と面談し「八重山3首長の思いは一つだ」「(県も)議論のテーブルについて検討してほしい」と説得したが、「国も県の頭越しにはできないだろう」と指摘。県の理解を得るため、政府が丁寧な説明を尽くすよう求めたという。玉城知事が理解を示すだろうか。県を理解させるには、知事を交代させる方が先決かもしれない。
ネットの反応
沖縄県に求めてることは同意ではなく、通達だ。島民の生命保護に関心を持たず、すぐに政局に利用する。
反対なんかしたら自分達が辺野古移設で言っていることとの整合性が取れなくなるけど??