中国、オーストラリアにTPP加入「積極的な支持」を要望
中国がTPP加入に向けて、オーストラリアに「積極的な支持」を要望した。
中国商務省は27日、王文濤(おう・ぶんとう)商務相が26日にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、オーストラリアのファレル貿易相と会談したと発表した。王氏は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への中国の加入について「積極的な支持」を要望した。
2021年にTPPへの加入を申請した中国に対し、オーストラリアや日本は経済的威圧などを理由に慎重な姿勢をとってきた。2022年に誕生したアルバニージー豪政権は最大の貿易相手国である中国との関係改善を進めており、中国側はTPP加入の支持を得ようとしている。
王氏は会談で、オーストラリアで中国企業が直面している問題について、「豪側が関心を持って積極的に解決を進めることを望む」と求めた。中国側によると、ファレル氏は中国企業の投資を歓迎し、対中輸出の拡大に期待を示した。
日本の立場は、中国の参加には厳しい立場を示していて、これまでは、日豪の立場は一致していると見られていた。しかし、2022年にアルバニージー政権が誕生してから、雲行きが少し怪しくなっている。
昨年11月、アルバニージー首相は豪首相として7年ぶりに訪中し、習近平主席と会談し、「経済・貿易関係改善に向け取り組みを強めていく方針で一致した」と報じられた(参考)。会談の際に習主席から中国がTPPへの参加を希望していることを伝えられたという。アルバニージー首相は、記者会見で中国のTPP加入に関して「(新規加入は)全会一致が原則だ」と述べるにとどめたが、確実に中国に足元を見られている感じだ。
仮にオーストラリアが陥落したとしても、まだ日本のほか(日本も心配だが)、カナダとイギリスがいるので、心配ないと思いたいが、水面下で中国がTPP加入に向け動いていることは警戒しなくてはいけない。