選挙妨害対応の公選法改正巡り自公で温度差。野党間も維新、国民民主は公選法改正に前向きだが、立憲は慎重
衆院東京15区補欠選挙で問題となった選挙妨害を巡り、与党内で温度差が。
自民党は罰則強化のための公職選挙法改正も選択肢との認識を示したが、公明党は法改正に慎重姿勢を示したとのこと。
自民党の梶山弘志幹事長代行は7日の記者会見で、先月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で選挙運動の妨害と取れる行為が相次いだことに関し「仮に妨害を目的に悪意を持って行われたなら、罰則強化を含め、今後の検討課題の一つになっていく」と述べ、罰則強化のための公職選挙法改正も選択肢との認識を示した。
一方、公明党の山口那津男代表は会見で「現行法の趣旨に基づき運用を改善していくことが妥当だ」と述べ、法改正に慎重姿勢を示した。「何が選挙の自由を妨げる行為になるか明らかにしていく作業が重要だ」と語った。
同選挙には与党の候補者はいなかったが、実際に妨害に合った陣営からは「演説が聞き取れないほどの妨害を行う、演説をかぶせてくる。そして現時点ではまだ警察から明確な対処がされていない。これは民主主義の土台である選挙の公正性を揺るがす極めて尋常ならざる事態である」(維新・音喜多駿政調会長 参考)「選挙に出る候補者は一定の良識を持ち、それぞれの思いを競い合うのが本来の選挙や民主主義の姿。選挙を妨害する行為は許されない」(国民民主・玉木雄一郎代表 参考)「警察署前で車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間に車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。警察の対応が遅くて怖かったです。でも、負けない」(立憲・蓮舫参院議員 参考)といった声があがっていた。
維新は深刻な妨害行為が多発したとの指摘を受け、公選法改正案の概要をまとめた。「公職選挙法で定めた「選挙の自由妨害罪」を適用しやすいよう具体的な妨害行為を明記し、規制を強化する内容だ。今国会での成立を目指して、与野党に協力を呼びかける」とのこと(参考)。国民民主の玉木代表もXに「国民民主党としても公職選挙法改正案づくりに着手しました。各党にも呼びかけ、必ず実現します」と投稿していた(参考)。
自民と維新と国民民主が公選法改正に前向きな姿勢を見せる中、公明と同じく立憲も慎重派のようで、岡田克也幹事長も「既存の法律で対応できないのか見極める必要がある」と拙速な動きをけん制したとのこと(参考)。
今後与野党間で協議されると思うが、実際に悪質な妨害行為が発生し、警察が手を出せずに繰り返されていた。妨害行為をした候補者は「今後もする」と表明していて、このような妨害行為が全国に広がってしまう懸念もある。
段々と性善説が通用しない国になってきたことは非常に悲しいことだが、それに対応できるよう取り組んでいただきたい。