テキサス州電力価格、約100倍に急騰。異常な暑さで冷房需要拡大も、風力からの供給下がる
「テキサス州の電力価格が8日、約100倍に急騰した」とブルームバーグが報じた。
テキサス州の電力価格が8日、約100倍に急騰した。発電所の電力供給停止が相次ぎ、夜間に電力不足が生じる懸念が広がった。
同州で送電網を運営するテキサス電気信頼性評議会(ERCOT)のデータによると、ダラスを含む地域のスポット価格は現地時間午後7時(日本時間9日午前9時)前に1メガワット時3000ドル強に跳ね上がった。前日の同じ時間帯は約32ドルだった。
8日午前にERCOTは、午後7-9時ごろの予備電力に関連して「注意報」を出した。これは、バックアップ電源起動や使用抑制などが必要になるほど予備電力が減少する可能性を示す。
状況は今年に入り最も厳しく、電力価格が5000ドルの上限に達するリスクが高まっている。域内では異常な暑さで冷房需要が拡大し、多くの発電所で効率が低下。風力発電からの供給も前日を下回った。
ERCOTは「今夜の節電を呼びかけていない。送電網の稼働は現時点で平常通りだ」と電子メールで説明した。
「風力、太陽光、太陽熱を合わせた再エネ発電量で、テキサス州は全米1位」「これは全米の4分の1を占め、2位のカリフォルニア州の2倍以上」とのこと(参考)。これまでは風力がメインだったが、太陽光発電も急拡大していて、全米1位も視野に入っているそうだ。
今回の場合は、「異常な暑さで冷房需要が拡大し、多くの発電所で効率が低下。風力発電からの供給も前日を下回った」とあるように、大幅に需要が上がったのに、風力発電からの供給が下がってしまったため。コストが安く、昼夜を問わず安定的に発電できる電力源(ベースロード電源)がいかに重要かよくわかる。
ネットの反応
これは、“全面自由化・再エネ最優先”盲信から醒めてない日本でも起こり得る事象。
日本では、原子力・火力など大規模安定電源の投資回収を確実に保証する制度に戻すことが真の『電力システム改革の改革』。https://t.co/O46mjRt0fs
テキサス州電力価格、100倍に急騰-供給ひっ迫で夜間の不足警戒— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) May 10, 2024
米テキサス州の電力価格がなんと約100倍に急騰!異常な暑さで冷房需要が拡大し発電所の効率低下。風力発電からの供給も下がり、前日の1㍋㍗32㌦から3000㌦強に一挙に跳ね上がった、と。石川和男氏は「“全面自由化・再エネ最優先”盲信から醒めない日本でも起こり得る。日本では原子力・火力など大規模安… https://t.co/jUk0DdtL8L
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) May 10, 2024
これが河野太郎氏と再エネTFの推奨するenergy only market。
テキサス州電力価格、約100倍に急騰-供給ひっ迫で夜間の不足警戒 – Bloomberg https://t.co/yZr5FAvRc7
— 池田信夫 (@ikedanob) May 9, 2024