東京新聞「永住許可の取り消しを容易にする制度に反対する署名4万947筆分」⇒強調するところ間違っていませんか?「税などの納付を故意に怠った場合」「悪質な場合」ですよ?
東京新聞は15日、「「永住資格取り消しの新制度に反対」 入管難民法改正案をめぐり、NPO法人が署名4万筆を法務省に提出」を配信。
NPО法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」が、衆院で審議中の入管難民法改正案を巡り、約4万筆分の反対署名を集めたという。
NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」は15日、衆院で審議中の入管難民法改正案に盛り込まれている永住許可の取り消しを容易にする制度に反対する署名4万947筆分を、国会内で法務省職員に提出した。
鳥井一平・共同代表理事は「日本に安定的な生活基盤を築いてきた人に不安を与え、差別と偏見を助長しかねない。すぐに撤回すべきだ」と話した。署名は、2月末から対面やオンラインで集めてきた。
永住資格は、原則10年以上日本に在留している人に許可されるほか、日本人と結婚した配偶者などにも許可される。現在でも1年を超す実刑を受けると、永住資格を取り消される場合がある。
◆「永住外国人が安心して日本に住めなくなる」
新たな制度では、税金や社会保険料を滞納した場合や在留カードの不携帯なども取り消し対象になりうる。移住連には永住資格を持つ外国人から、「安心して日本に住めなくなる」などの声が多数寄せられているという。
法案は週内にも衆院法務委員会で与党の賛成多数で可決される見通しとなっている。
「永住許可の取り消しを容易にする制度」とあるが、何故永住許可が取り消される可能性があるか、記事では詳しく指摘していない。
新たな制度では、永住者が税などの納付を故意に怠った場合に永住許可を取り消される可能性がある。しかし、記事の説明では容易に税滞納などの理由で永住資格を取り消されると思う人もいるだろう。そうなればもちろん「安心して日本に住めなくなる」などの声が多数寄せられるのは当然だ。
しかし、これについて岸田総理は「定着性に配慮して慎重に検討する」「(対象は)一部の悪質な場合」とコメントしている(参考)。
東京新聞も仮にメディアを名乗るのなら、強調する場所を間違えてはいけない。最も強調するべきは「税などの納付を故意に怠った場合」「悪質な場合」だ。もちろん、健康を損ない、止むを得ず仕事を長期に渡り休むことになるなどのしっかりした理由があれば、永住資格取り消しの対象外になるはずだ。
詳細を語らず「永住許可の取り消しを“容易”にする制度」などと説明されれば不安が募るのは当たり前だ。記事にあるNPО法人はそこのところどのように説明して署名を集めたか気になるところだ。
そもそも「日本に安定的な生活基盤を築いてきた人」はルールを守ってきた人たちで、やむを得ない理由がない限り、税滞納の心配もないはずだ。もちろん、ルールさえ守っていれば、永住資格を取り消されることはない。そんな人たちまでも不安にさせる報道はいかがなものだろう。