沖縄県、辺野古移設工事に伴うサンゴ移植許可へ。玉城知事「許可処分に向けた手続きを進めたい」
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する工事に関連し、「沖縄県は2022年9月、防衛省が移設工事の埋め立て区域外にサンゴを移植するために行った許可申請を不許可とした。農相は、移植を認めるよう県に是正指示。訴訟となり、県の敗訴が確定したが、玉城デニー知事は許可していない」(参考)とのことで、国が「代執行」訴訟を起こす可能性が指摘されていたが、県はサンゴの移植許可を認める方針を明らかにした。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事に伴い、沖縄防衛局が申請した大浦湾側のサンゴの移植許可について、沖縄県は認める方針を明らかにした。移植を巡る訴訟で県の敗訴が確定しており、坂本農相が16日までに許可するよう県に勧告していた。
県によると、許可に向けた手続きを進めていく意向を伝える文書を同日付で坂本農相宛てに発送した。20日以降、玉城デニー知事が正式に表明する見通し。
「玉城氏はこの日、サンゴ移植を許可するよう勧告していた農林水産相に宛てて、「許可処分に向けた手続きを進めたい」と回答した。近く許可を出す見通し」とのこと(参考)。
また、「玉城県政には厳しい判断となるが「(サンゴ移植は)環境の問題であり、埋め立て許可申請とはまったく意味合いが異なる」と強調した」とのこと(参考)。
今回は良く決断したと思う。2018年7月、当時の翁長雄志知事がサンゴ移植の許可をした時には、移設反対派は県庁で「埋め立て工事の進展につながる」として猛抗議していた。おそらく今回も同様のことが起きるのではないかと推察する。
サンゴ移設を巡っては、県側は敗訴し、拒み続ければ地盤の改良工事の承認の時と同様に、代執行訴訟になる可能性が高かった。自治体が代執行を受けることなど前代未聞なのに、立て続けに起きては玉城知事の今後の県政運営にも関わる。
「(サンゴ移植は)環境の問題であり、埋め立て許可申請とはまったく意味合いが異なる」と玉城知事は語ったようだが、この辺を落としどころにしたのだろう。