中露首脳、処理水を「核汚染水」と表現し、海洋放出に「深刻な懸念」を表明⇒林官房長官「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾」
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が16日、北京で首脳会談を行った。両首脳は経済や安全保障面での協力を盛り込んだ「戦略的関係の深化」に向けた共同声明に署名するなど結束をアピール。会談の中では東京電力福島第1原発の処理水について「核汚染水」と表現し、海洋放出に「深刻な懸念」を表明した。
これを受け、林芳正官房長官は「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、抗議したという。
林芳正官房長官は17日の記者会見で、中国とロシアの首脳共同声明で東京電力福島第1原発の処理水について「核汚染水」の表現も使って懸念を表明したことに対し、「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、抗議したと明らかにした。
抗議は外交ルートを通じ、16日に中ロそれぞれに行った。
林氏は処理水の海洋放出について「科学的観点から何ら問題は生じていない。広く国際社会からの理解と支持が得られている」と強調。「中国やロシアにも丁寧かつ透明性をもって説明していく」と述べた。
林官房長官が「科学的観点から何ら問題は生じていない。広く国際社会からの理解と支持が得られている」と言うように、中国の日本産水産物輸入停止措置は大失敗で、日本は販路開拓で輸出を増やしている。これは多くの国々が海洋放出を理解し、支持してくれているからだ。
とはいえ中露のこういった嫌がらせには、その都度、公式に抗議することは必要。いつもは「遺憾砲だけか」と文句のひとつも言いたくなるが、今回は遺憾表明で十分だと思う。
「中国やロシアにも丁寧かつ透明性をもって説明していく」とあるが、中露の目的は嫌がらせ以外になく、いくら科学的に説明しても理解は得られまい。それよりは、今後の放出の安全を確保し、現在信用してくれている国々の理解と支持を継続して得るべきだ。