元陸上幕僚長、台湾有事「習主席が「やれ」と言えば、だれも反論できない」「彼がやらないといえば起こらない」
元陸上幕僚長の岩田清文氏が17日に開催された神戸「正論」懇話会の第23回講演会で、台湾有事について「習主席が「やれ」と言えば、だれも反論できない」と述べた一方で「台湾有事を起こすのは、習主席ただ一人だ。彼がやらないといえば起こらない」と語っていた。
神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで5月17日に開催された神戸「正論」懇話会の第23回講演会。元陸上幕僚長の岩田清文氏が「台湾・日本有事を抑止する-安全保障改革の現状と課題-」と題して講演した。岩田氏は西太平洋地域においてアメリカをしのぐ軍事力を有する中国への危機感を示し、中国が台湾統一を狙う背景や、具体的な台湾有事のシナリオなどについて解説した。主な内容は次の通り。
今は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境にあり、まさに「困難と不信」の世界に向いているというのが、政府の認識だ。
2020年の米大統領選挙でバイデン大統領が当選した後、議会にトランプ前大統領の支持者が乱入するなど、民主主義を率先し、日本が頼りにしてきたアメリカで民主主義が崩れ始めている。これを喜んでいるのが、中国の習近平国家主席で、台湾統一のチャンスをうかがっている。
習主席は自ら憲法を改正し、3期目に入った。台湾統一を成し遂げることで、毛沢東を超える英雄になりたがっている。統一の実現は共産党の任務であり、必然であり、必要であれば軍事力の行使も辞さない-と言っており、習主席が「やれ」と言えば、だれも反論できない、非常に危険な状況にある。
中国の人民や為政者、共産党の主要幹部らの気持ちにあるのが、約100年間、欧米列強に半植民地化されたという、アヘン戦争からの屈辱だ。
中国共産党の第19回党大会(2017年)で習主席は熱弁を振るい、「中華民族の偉大な復興」を掲げ、この100年の屈辱から立ち上がろうと言った。その夢を具現化するのが、中国の覇権拡大戦略だ。中国が掲げる一帯一路構想の実態は西への覇権の拡大で、西太平洋においても、覇権の拡大のための準備を着々と進めている。
その裏付けとして、中国は軍事力の驚異的な拡大を図っている。今や戦闘艦艇の数ではアメリカを抜き、世界一の大海軍を築いた。
台湾有事を起こすのは、習主席ただ一人だ。彼がやらないといえば起こらない。しかし、最初から軍事力を行使することはないだろう。まずは台湾周辺の海底ケーブルを切断し、サイバー戦、情報戦、政治工作を仕掛けてくる。そして軍事演習区域を設定し、台湾の人々を脅す。しかし台湾の人々はひるむはずがない。そうすると最後に軍事行動に出る。その場合、与那国島、石垣島、宮古島の上空は戦闘空域になるだろう。
アメリカが参戦しなければ、台湾は中国のものになる。有事の際、戦力の集中競争になるが、台湾に近い中国が有利だ。
(出典 中国大使館)以下ソースで
習主席の権力の強さが良く解る。正しい分析ではないだろうか。