日中ハイレベル人的・文化交流対話「両国間の修学旅行を奨励」?「留学生の相互派遣を強化」?
岩屋外相は25日、中国の王毅外相と、第2回日中ハイレベル人的・文化交流対話を実施。
(1)青少年の交流と相互訪問を大いに推し進め、両国間の修学旅行を奨励し支持する。 (2)教育分野での協力を深め、留学生の相互派遣を強化し、両国の小中学校の姉妹校締結や大学間の協力を支持する。 (3)観光業の協力を支持し、より多くの利便化措置を講じて両国の観光客の相互訪問を促す。 (4)友好都市という交流の懸け橋をより多く作って、中日省長・知事フォーラム、中日韓文化交流年、東アジア文化の都などのメカニズムやプラットフォームを活用して、両国の地方と民間の友好往来を拡大させる。 (5)スポーツでの交流と協力を強化する。2025年ハルビンアジア冬季競技大会と2026年愛知‐名古屋アジア競技大会をはじめとする重要なスポーツ大会の開催を互いに支持し合う。 (6)映画やテレビ、音楽、出版、動画やアニメ、ゲームなどの文化とエンターテインメント産業の協力を支持し続ける。レベルの高い芸術団を相互に派遣し、両国の素晴らしい著作の相互翻訳と出版を支持する。 (7)メディアやシンクタンクの交流と協力を強化し、二国間関係における前向きな役割を果たして民意と世論環境の改善に注力する。ニューメディアの交流と協力を支持し、プラスエネルギーを持つ両国のネットクリエイターの交流を奨励する。 (8)女性団体の交流を行い、男女が共に発展する経験の共有を促す。中国側は日本側を北京世界婦人大会30周年グローバル女性サミットに招待する。 (9)2025年大阪・関西万博を両国国民の交流と友情の舞台にする。中国は日本の万博開催を支持し、日本は中国の万博出展を歓迎し、中国館の建設と運営に協力する。 (10)適切な時期に日本で第3回中日ハイレベル人的・文化交流対話を開催する。
特に注目したのが(1)(2)だ。
外務省発表には「双方は、「日中教育交流5か年計画」を着実に実施するとともに、修学旅行の相互受入れを促進し、自治体や高校・大学等におけるスポーツ・文化活動を含めた交流を推進すべく、両国での環境醸成、モデル事例の創出に取り組むことで一致しました。また、日中の高校生、大学生を対象とする交流事業等の継続・推進を確認しました」とあった(参考)。
修学旅行の相互受け入れ促進ということは、小中高を対象に、中国への修学旅行を政府が推奨するということ。今の中国の状況を考えれば、親は不安で仕方ないだろう。
また、日中の留学交流を強化させるということだが、ただでさえ国会でも中国人留学生が優遇され、日本の学生が不遇の状況にあると指摘されているのに、まだ拡大するというのか。中国が日本並みに日本の留学生を優遇するとは到底考えられない。それに、あくまでも噂と憶測の範疇は出ないが、「中国は留学生をスパイとして送り込んでいる」という指摘もある。すべての学生が該当するわけではないが、そういった懸念は少なくない。
今、石破政権である以上、日本のためにしっかりしてもらわなければ困る。しかし、動きを見ていると、米国よりも対中国に傾注している気がしてならない。