自民、高市氏、萩生田氏などが党内に「旧姓の通称使用拡大」を呼び掛け
自民党の高市早苗前経済安全保障相や萩生田光一元政調会長が、選択的夫婦別姓について、党内に旧姓の通称使用拡大を浸透させるよう動いているようだ。
自民党の保守派議員が、党内での存在感をじわりと高めている。選択的夫婦別姓制度の導入や石破政権の対中外交を巡って高市早苗・前経済安全保障相らが発信を強め、週明けからは議員連盟が続々と会合を開く。安倍晋三・元首相の死去や派閥の政治資金規正法違反事件で失われた結集軸を作れるか注目が集まっている。
高市氏は1月31日のインターネット番組で「通称使用の拡大(法案)を国会に提出しようと訴えたい」と述べ、選択的夫婦別姓に反対する考えを強調した。保守派は「家族の一体感を損なう」と反発しており、高市氏らは4日に有志議員でつくる「保守団結の会」で議論する。
選択的夫婦別姓を巡っては、立憲民主党など野党に加え、公明党も導入に前向きで、自民執行部は対応に苦慮している。自民内反対派の急先鋒(せんぽう)の一人、萩生田光一・元政調会長らは、5日にも保守系議連「創生日本」の会合を開き、反対派の勢いを後押しする構えだ。
他にも加藤勝信財務相や小林鷹之元経済安全保障相などが、通称使用拡大を主張している。
公明党は賛成の立場のようで、石破首相に判断を迫っている。
野党を見ると、立憲民主党は選択的夫婦別姓を何としても導入したい様で、国民民主党は、導入に賛成だが「子供の姓についてなど、議論がまだ不十分」と考えている。日本維新の会も、導入に賛成の立場のようだが、吉村洋文代表は「夫婦別姓を認めるべきだという考え方だが、旧姓に一定の法的効力を認めることで、それは達成できるのではないか」とも語っていた。前原誠司共同代表も賛成の立場を示したうえで、議論の余地を指摘している。この点は高市氏も一致していて、高市氏は反対の立場だが、導入するにしても「議論が足りない」と指摘している。
自民党内で議論されどのような方針を取るかが注目される。森山裕幹事長は「党議拘束をかけないで結論を見いだすことはできるだけ避けるべきだ」と述べていた。しかし、意見は党内で割れていて、因みに、毎日新聞の衆院選前のアンケートでは、選択的夫婦別姓導入に、石破首相が無回答(総裁選では賛成)で、森山幹事長は反対だった。
おそらく党議拘束をかけるだろう。党議拘束をかけるにしても、執行部でも意見が割れているのに、党内で意見がまとまるかが問題だ。
萩生田氏や高市氏などが中心となり、反対派の結束を強めているだろう。