
海保、尖閣に出没の中国海警船を公式に武装船とみなす「砲らしきものを搭載」から「砲を搭載」に修正
海上保安庁は、尖閣周辺に現れる中国海警船について、従来は「砲らしきものを搭載」としていたが、「砲を搭載」に修正し、公式に武装船とみなすとのこと。
海上保安庁は5日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の中国海警船への対応に関する公表資料の表記を変更した。従来は中国公船について「砲らしきものを搭載」としていたが、同日以降は「砲を搭載」に修正、公式に武装船とみなす。中国側が海警船の射撃訓練を公開するなどしたことを踏まえ、現実に即した対応が必要と判断した。
海保によると、5日午前に公表した資料から表記を変更。中国国営中央テレビ(CCTV)が昨年9月、中国海警局に所属する船舶の射撃訓練の様子などを公開し、船舶に搭載した機関砲が殺傷能力のある武器であることを海保側も確認した。
また、英国の軍事専門書「ジェーン年鑑」が2024年版で、海警船2303と2305の2隻について、「76㍉砲搭載」と明記。海保は中国側の動画公開や国際的権威のある軍事専門書の記述などを総合的に考慮し、公式に「武装船」とみなす表記に変更することを決めたという。
尖閣諸島は沖縄本島の西約410㌔にある魚釣島、北小島、久場島などの無人島。接続水域は領海の外側12㌋(約22㌔)の海域で平成24年の尖閣国有化以降、中国公船の航行が確認され、令和2年以降は荒天時以外ほぼ毎日確認されている。
昨年6月には機関砲を搭載した船舶4隻が同時に領海侵入したことが初めて確認された。その後は76㍉機関砲を搭載した船舶の航行が常態化しており、中国側が力による一方的な現状変更の試みを先鋭化しつつある。
(出典 海上保安庁)
この表記変更の意味は大きい。従来は巡視船に武器らしきものを載せていたという表現だったが、公式に「武装船」とみなす表記に変更したということは、今後は、同船がもし領海侵犯をした場合、中国が武力侵攻したと受け取れることになる。
後は政府がどう対応するかだ。中国の挑発を「軍事的な威嚇行為である」と公表し、非難できるだろうか。
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