
政府「日本をスパイ天国だと考えてない」閣議決定⇒党内からの「スパイ防止法導入へ検討推進を」提言は無視?
日本政府は18日、れいわ新選組の山本太郎代表の質問主意書に対し、日本を「スパイ天国」とみなさない答弁書を閣議決定した。
政府は15日、日本について「『各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である』とは考えていない」とする答弁書を閣議決定した。その理由として「情報収集・分析体制の充実強化、違法行為の取り締まりの徹底などに取り組んでいる」ためとした。れいわ新選組の山本太郎代表の質問主意書に対する回答。
「スパイ天国」の指摘を巡っては、日本維新の会の青柳仁士衆院議員が令和6年4月の衆院内閣委員会で、「今の日本は『スパイ天国』といわれ、各国の諜報活動がしやすい状況になっている」と訴え、同党の松沢成文参院議員も5年11月の参院外交防衛委員会で、「日本はスパイ活動を事実上野放しし、スパイ活動に抑止力がない国家になっている。『スパイ天国』と揶揄(やゆ)されている」と懸念していた。
スパイ防止法を巡っては、制定を主張した参政党と国民民主党が7月の参院選で躍進し、維新や自民党も諸外国並みのスパイ防止法の制定を唱えている。
本音か建前かどちらだろうか?
1980年代あたりから「日本はスパイ天国」と指摘されるようになり、1985年6月15日、当時の中曽根康弘首相は参議院決算委員会で、野党議員の質問に対し「日本はスパイ天国であり、スパイ防止の必要性を痛感するに至った。 問題は国民の知る権利や報道の自由とどう調和させるかにある」と答弁した。これ以来、「日本はスパイ天国」という認識が国民の間で広がったと言われている。
実際に様々な技術等が流出し、デンソー事件 (2007年)ヤマザキマザック事件 (2012年)三菱重工事件 (2012年)東芝事件 (2014年)TSMC事件 (2025年)などが事例としてあげられている。これらは氷山の一角と言われている。
「情報収集・分析体制の充実強化、違法行為の取り締まりの徹底などに取り組んでいる」とあるが、自民党内からは「わが国の重要情報を守る観点から、諸外国と同水準のスパイ防止法の導入に向けた検討を推進すべき」との提言があったばかり。体制の強化を図るのなら素直にスパイ防止法の制定に舵を切ればいいと思うのだが、これで石破政権下でのスパイ防止法制定の大義が薄まり、制定がより困難になったと言えよう。
閣僚内にスパイ防止法制定に否定的な大臣もいるから、何としても「日本はスパイ天国」と認めたくないのかもしれない。
ネット上では「石破左翼政権は何としてもスパイ防止法を阻止する構え」 「石破がどう言おうと諜報機関のない日本は各国の工作員たちにとって天国なのは間違い無い」「政府の「日本をスパイ天国と考えていない」という回答は、唖然とするほど無責任で愚劣だ」「スパイ防止法がG7で唯一ない国なのだが」といったコメントで溢れていた。


