
財務省出身議員ってそんなに多いの??自民党の官僚出身議員をカウントしてみた。
高市政権が正式に発足され、党幹部も閣僚も一通り決まりました。中でも話題の一つに出たのが前政権まで続いた自民党税制調査会長の人事です。税制調査会というのは、自民党政務調査会内で税制部分についての議論を行うところで、予算形成にも大きな影響を与える強い政策決定組織です。政府にも税制調査会は存在するのですが、圧倒的に自民党税制調査会が強い習わしがあります。これは政府税調が首相の諮問機関に過ぎないのに対して、自民党税調は毎年自民党から出す税制大綱の策定を行い、税制改正の実質的な主導権を有しているからです。
これまで自民党税制調査会長は長らく税制調査会のインナー議員と言われ、税調に長く所属してきた幹部議員が牛耳って決めてきました。石破政権での自民党税制会長は増税を繰り返し主張してきた宮沢洋一参議院議員です。宮澤洋一議員は財務省出身者です。この税制調査会のインナー議員と呼ばれる幹部も財務省出身者が多いことで、実質的な財務省支配と揶揄されてきました。ちなみに、宮澤政調会長の補佐で税制調査会長代理を務めてきた後藤茂之衆議院議員も財務省出身です。確かに財務省支配と言われても仕方ないですね。しかし、これまで財務省の影響をどの程度うけやすいのかを定量的に計った記事はありませんでした。
そこで、自民党全体で官僚出身議員を数え、そのうち財務省出身議員はどれほどいるかというのを議員要覧などからわかる範囲でカウントしてみました。結果は以下の通りです。
出身省庁 議員数
財務省 17
総務省 14
経産省 7
国交省 7
農水省 4
外務省 3
警察庁 2
防衛省 2
厚労省 1
法務省 1
なんと、自民党議員に限ってではありますが、財務省出身議員が最も多いという結果となりました。最も入るのが難しいと言われている財務省であるのに、国会議員になる人は最も多いのですね。意外な結果となりました。官僚出身議員のおよそ3割が財務省出身です。
財務省出身だから悪いということはありませんが、自民党の財政規律派、増税派に財務省出身議員が多いと様々な憶測を呼んでしまいそうです。官僚出身ではない党人派の議員に税制会長を任せた高市政権でどのような税制大綱が来年出てくるか、国民の生活を豊かにし、海外に負けない所得向上に向かっていくことを強く期待しています。


