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日本にも「ジョンソン修正条項」を―― 政教分離を実質化

憲法では、いわゆる政教分離原則を定めている。ところが実質的には形骸化していると言わざるを得ない。統一教会問題が起き、創価学会と公明党の暴走も表面化してきた今、予防策として政教分離について考え直すべきである。そこで、アメリカのジョンソン修正条項を取り入れるのはどうだろうか?

米国には「ジョンソン修正条項」と呼ばれる仕組みが存在する。これは、宗教団体や慈善団体など税制上の優遇を受ける非営利団体が、特定の候補者や政党を支持・反対する政治活動を行った場合、その非課税資格を失うという制度だ。表現の自由を制限するものではなく、「税制優遇と政治的中立性を引き換えにする」極めて合理的なルールである。

日本では宗教法人に対して手厚い税制優遇が与えられているにもかかわらず、選挙支援や組織的動員といった露骨な政治関与が公然と行われている。統一教会問題でも政治的関与の不透明さが問題となった。そして、その象徴的存在が、創価学会と同団体を支持母体とする公明党の関係でも同じではないだろうか。

創価学会は選挙のたびに、会員によって投票依頼、電話かけ、票割り、締切前の追い込みなどが行われる。これらは個々人の自発的政治参加の範囲を明らかに超え、組織的な選挙運動とみるほかない。信者にとって、創価学会本体の方針は極めて強い規範力を持つ。その環境下での「お願い」は、果たして自由意思と言えるのか。宗教的権威と政治的動員が結びついた瞬間、民主主義の前提である自由で公正な選挙は大きく歪められる。このことは統一教会問題で社会的に認識を得たことと思う。

ジョンソン修正条項型の制度を日本に導入すれば、この問題に一定の歯止めをかけることができる。宗教法人が税制優遇を維持したいのであれば、特定政党・候補者への組織的関与を控える。一方、政治に積極的に関与したいのであれば、税制上の特別扱いを放棄する。この「選択」を明確にするだけで、政教分離は理念から実効性ある制度へと進化する。

ドイツでも政治目的(政治的意見や意思決定への影響、世論の形成、政党の宣伝など)は、税法第52条に規定される慈善目的とはみなされず、政党政治活動は、慈善事業の資格と両立しないことになっている。

これはなにも創価学会だけを狙い撃ちにするものではない。今後、他の宗教団体が同様の政治関与を強める可能性を考えれば、普遍的ルールとして整備する意義は大きい。宗教は人々の内心の自由に深く関わるものである。

一方で、政治は公共の意思決定であり、透明性と説明責任が不可欠だ。この二つが曖昧に混じり合う状態は、宗教にとっても政治にとっても不幸である。 「政教分離をどう守るか」という問いから逃げてはならない。ジョンソン修正条項の導入は、そのための現実的かつ公平な第一歩である。

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